読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

4代目住職、尼僧です!

33歳で3児の母、ゆるりゆるりと住職やってます

39歳で夫を亡くし50回忌を終えた奥様の姿を見て、私もしみじみ考えた

私の頭の中

昨日はある檀家さんのお宅の法事に行ってきました。旦那さんの50回忌だそうです。顔を知る人の50回忌もなかなかできないことなのに、自分の旦那さんの50回忌を行うとは珍しいことだと思います。

奥様はいつもにこにことしていてとても人当たりの柔らかい方です。奥様とお話をしていると、その柔らかな物腰で私はいつも安らぎをいただきます。今まで亡くなった旦那さんの話を聞くことはできなかったのですが、昨日は思い切ってこの50年の話を聞いてみました。

その奥様は39歳のときに旦那さんを亡くされたそうです。19年の結婚生活のうち12年は入退院を繰り返し看病を続けていたそうで「もしかしたら…」という思いはあったものの、実際に旦那さんを亡くしたあとの苦しみは壮絶なものだったといいます。

「まさに地獄だった。地獄の中で爪を掻き立てて這い登ってきたように苦しかった。」

「いろんな人がいろんな言葉で励ましてくれたが、悲しみの渦の中ではどんな言葉も白々しく聞こえた。」

「とにかく自分を責めた。夫をどうにか助けられたんじゃないかという思いが大きかった。震災で生き残った人が『どうして自分だけが生き残ってしまったのか』と自分を責める気持ちがよくわかる。」

「でも今は、『今が良いから、これで良かった。』と、心から思える。」

 

そんな辛い話をしてくれる奥様の顔からは、今は落ち着いた様子しか感じられないのです。心が壊れそうになっていたことも、苦しんで苦しんで苦しんできたことも、まったく信じられないほど穏やかに笑っています。どれだけの辛さを乗り越えてきたら、こんな風に笑えるのでしょうか。

私は今32歳。奥様が旦那さんを亡くされたのと同じ30歳代。自分の身に起こったら…と少し考えてはみるものの、まったく想像がつきません。いや、考えるだけでも怖いから、きっと考えることから逃げているんだと思います。でも、それが実際に起こった人もいるわけで…。

奥様が身に纏う優しい空気は、悲しみ苦しみを乗り越えた強さなのか。いや、そんな言葉で片付けられないことなんだろうな、としみじみ考えながら帰ってきました。