4代目住職、尼僧です!

33歳で3児の母、ゆるりゆるりと住職やってます

若すぎる遺影はおかしい?

結論からいうと、遺影が亡くなった年よりも若くてもいいんじゃないかと私は思います。だって、その時代を含めてすべてがその方の一生なんだから。

 

先日お勤めした葬儀でのことです。
亡くなったのは90歳すぎのおばあちゃん。病気をして入院してからも、最期まで息子さんやお嫁さんに心配を掛けまいとしていた、とても気丈な方でした。信仰心が厚く、早くに亡くなった旦那さんの供養を一生懸命されていました。
その方は私が子供の頃からお寺のお手伝いに来てくれていたので、昔からよく覚えています。私とは60歳の年齢差があるので、私にとっては昔からずっと"おばあちゃん"のイメージでした。

しかし、お通夜の前にその方の遺影と対面して、私は感動しました。
おそらく30歳代後半か40歳代の頃の写真でしょう。若くてとても美しいその方の写真から、バリバリと働いて家事や子育てをこなす、芯の強い優しく厳しい「お母さん」のような面影を感じました。そして「うわぁ~、いい写真選んでもらってよかったねぇ~」と、私はひとりで遺影に話し掛けたのでした。

私は"おばあちゃん"の姿しか見たことがなかったので、若い頃の姿を初めて見て驚いたのですが、若い頃を知る私の母にその写真を見てもらったところ、
「ああ、そうそう。これが〇〇さんだよ。バリバリの頃だね。」
と喜んでいました。お寺のお手伝いをバリバリしてくれていた、輝いていたその方の顔が浮かんだそうです。
お通夜に来ていた方も、その遺影を見て、
「あらぁ~、いい写真だねぇ~」
とおっしゃっていたのを見ました。

ご遺族の方は「写真が若すぎておかしいかな」と悩んだかもしれません。しかし、そのその方が生きていたのは今だけじゃなくて、過去も現在もすべてがその方の一生です。葬儀ではこれまでいろんな時代で故人と関わってきた人たちが、生前の感謝を伝えに訪れます。その方の輝いていた頃の写真を遺影に使ってあげるのは、ご本人にとっても、送る側の人たちにとっても、嬉しいことのような気がします。

そして、これから先、ご遺族をはじめ送る側の人たちの記憶にあの素敵な写真の笑顔が残って心の中で生きていくんだと思うと、なんだか温かい気持ちになりました。