4代目住職、尼僧です!

33歳で3児の母、ゆるりゆるりと住職やってます

修行日記7~先生側も経験させてもらいました~

修行を終えた次の年の2010年夏、住職として働き始めていたものの「自分なんかが住職でいいのか」と不安でいっぱいだった私のもとに、加行監督の先生から手紙が届きました。

「加行監督を手伝ってもらえませんか」

このお誘いは私にとって、とてもとてもとっても嬉しいものでした。
住職として檀家さんの前に立ってはいるけど自信はまったくないし、次々と来る仕事はどれも自分には荷が重すぎると感じる仕事ばかりだし、緊張の連続で私は正直疲れていました。

加行道場に行けば、私が元気をもらえるかもしれない。前を向いて歩けるかもしれない。先生方に会うことを楽しみに、1週間だけお手伝いさせてもらうことにしました。

先生方と会えて悩みを聞いてもらえたことも大きかったですが、後輩たちの頑張る姿には心を打たれました。修行ができることってありがたいことなんだって思えた、そんな話です。どうぞ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2010年8月31日

修行日記7~先生側も経験させてもらいました~

お盆が終わり、お寺が少し暇になった先週から1週間、高野山へ修行に行ってきました。 修行と言っても、厳密に言えば、修行のお手伝い。 未熟ながら先生役です。 すごく貴重な経験がたくさんできました。 一番印象に残っているのは、修行を途中でリタイアしてしまった行者の姿。 彼女は普段はいたって健康体なのに修行に入ってからなぜか体が言うことを聞かなくなり、 手足が痺れて動かなくなったり、耳が聞こえなくなってしまったりするようになったそうで、 彼女自身も自分の体の変化にとても戸惑っていました。 点滴を打ちながら、たまにパニックになったりしながらもなんとか続けていたのですが、 10日目を過ぎた頃、行中に突然痙攣を起こし倒れてしまったことで、 指導教官からストップがかかり、行を中止することになりました。 痙攣が治まり意識が戻ると、漏れるような声で「終わりたくない・・・」と何度何度も訴え、 「行に戻ります」と、動かない体を引きずって行こうとする姿がすごく切なかったです。 こんなに強く思っていても最後までやり遂げられない人もいるし、 もしかしたら修行に入りたいという願いを叶えられなかった人も多くいるはず。 自分が何事もなく修行を終えられたことは、とても有難いことなんだなと実感しました。 そして、尊敬する先生方とそれぞれゆっくり話すことができて嬉しかった。 いろんな先生が私のことを心配してくれていて、声をかけてくれて、 晋山祝い=住職になったお祝いと言って、数珠をプレゼントしてくれた先生もいました。 行が終わってからもこんなに良くしてくれるなんて、本当にありがたいです。 適当にやってるわけにいかないなー がんばんないといけないなー、と思いました。 いい感じに明日から9月です。 心機一転、がんばります。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

修行を途中で断念することになった彼女は、その次の年に無事に修行を終えられたそうです。また、この年に修行をしていた別の尼僧には昨年会う機会があったのですが、すっかり大人の美人尼僧さんになっていて、今はお寺をお手伝いしているという話を聞きました。嬉しかったです。頑張っている人の姿には励まされます。

 

振り返ってみると、私の人生の中で加行期間はやっぱりかなり特殊な経験ができた期間で、加行によって考えが変わったところがたくさんあります。ありがたい経験がたくさんできました。じゃあもう一度行きますか?と聞かれたら…それは断るけど…。でも、修行には「行かせていただいた」という気持ちを忘れず、大きな「ご縁」に感謝してこれから先も僧侶でいようと思います。

たまに初心を思い出すためにこの修行レポを読むことにしようっと。
これにて修行レポ、おわります。

 

<修行レポ 目次>

プロローグ

僧侶になるための修行って厳しいの?って話 - 4代目住職、尼僧です!

その1
修行日記1~朝起きたら暗くて天気がわからないよ~ - 4代目住職、尼僧です!

その2
修行日記2~魔法使いになっちゃったよ!~ - 4代目住職、尼僧です!

その3
修行日記3~精進料理なエビチリ!~ - 4代目住職、尼僧です!

その4
修行日記4~居眠りしてたらユーレイ先生に怒られた!~ - 4代目住職、尼僧です!

その5
修行日記5~自分の縁に感謝すること~ - 4代目住職、尼僧です!

その6
修行日記6~後期加行編~ - 4代目住職、尼僧です!

その7
修行日記7~先生側も経験させてもらいました~ - 4代目住職、尼僧です!