ストーリー① 「再会」
お寺ですれ違った男性2人。
お互い不思議そうに振り返って目を合わせて、
A「え、なんか、見たことある顔なんだけど?」
B「俺もなんか見たことある…」
A「すいませんが、お名前は…?」
B「〇〇…」
A「〇〇!? うそだろ? オイ!ずいぶん久しぶりじゃねえか!」
お寺で留守番をしていると、毎年必ずこういう場面に出くわします。昔、生まれ育った土地に里帰りしてお墓参りに行くと、懐かしい顔に会えるんですね。
「今、どこに住んでるんだ?」
「仕事はなにしてるんだ?」
「そっちは奥さん? どうもどうも、はじめまして。昔、俺とコイツは……」
久しぶりの再会がとても楽しそうで、こちらまで嬉しくなりました。
ストーリー② 「孝行」
お寺に将棋盤が置いてあります。これは、うちの夫や五歳児・三歳児の遊び用。日曜日など保育園がお休みの日にお寺で留守番をしながら遊んでいたときに使っていたものです。
ある檀家さんがお孫さんを連れてお参りに来ました。その檀家さんからは、いつも離れて暮らしているお孫さんはまだ5歳なのに将棋会館に通って将棋をしていること、たまに会って対局しても負けてしまうことなど、お孫さんと将棋を指すことについて聞いたことがありました。
「将棋盤ありますよ。一局どうですか?」
声を掛けてみると、お孫さんとおじいちゃんはすぐに将棋盤に興味を示してくれました。
「うわあ、これは立派な将棋盤だねえ。」
駒は新しく買ったものですが、盤は大正初期生まれの祖父が使っていたものなのでかなり年季が入っています。
「よし、一局やるか!」
お孫さんとおじいちゃんの対局が始まりました。
「これは長くなるよ。お参りがまだなのにね。」などと言っていたおばあちゃんとお母さんでしたが、その予想を覆し対局は10分もかからず終了。5歳のお孫さんの勝ちでした。
「負けたー! 今のはちょっと手を抜いただけだからな!」
おじいちゃんの言葉がどこまで本気なのかわかりませんが、おじいちゃんもお孫さんも、おばあちゃんもお母さんも、そして私も楽しい時間でした。
こうやってお寺が人と人をつなぐ場所になれること、人が笑顔になれる場所になれることがとても嬉しく思いました。
お盆って、こういうところがとてもいい。
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