4代目住職、尼僧です!

38歳で3児の母、ゆるりゆるりと住職やってます

愛犬を亡くした檀家さんのお宅で見た "供養で大切なこと"

毎月お参りに行っている檀家さんのお宅で、ペットのワンちゃんが亡くなりました。

よく吠えるワンちゃんで、私の車のエンジン音に反応していつもピンポンを押す前から激しく吠えられました。最初は歯をむき出して怒っていましたが、いつの頃からかそれが「いらっしゃい」と歓迎の声に変わりました。お参り中も私の後ろでお経を聞きながら眠っていたりと私にも少し心を開いてくれていたようで、いつも吠えられるけど可愛いワンちゃんでした。しかし、その鳴き声も最近はしばらく聞いていませんでした。

以前から乳がんを患っていて、最後の2~3ヶ月は病状がどんどん悪くなっていくのが目に見えてわかりました。癌が肥大化して出血が止まらないこと、散歩にいく元気も次第になくなっていっていること、食べられるものがどんどん減っていくこと、「もうすぐかもしれない」こと…、飼い主さんから聞いていました。

亡くなったときには連絡をもらって枕勤め*1にも行きました。飼い主さんはもちろん悲しかっただろうけど、私も悲しい気持ちでお経をあげました。

  

先日、いつものように月忌参りに行ったとき、仏壇の横にワンちゃんの祭壇がありました。

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ドッグフードとお水、好きだったリンゴ、そして、小さなお団子がお供えされていました。4段積んでもリンゴより背の低い、高さ7センチほどの小さな小さな積み団子です。

「こんな小さなお団子、よく作ってあげましたね!」

すると飼い主さんは
「犬にもお団子作って、笑われるかもしれないけど…。なにかしてあげたくて。」
とおっしゃいました。

積み団子を作るのはなかなかたいへんな作業です。お団子を小さく切って丸めて(4段の積み団子×2なので40個も)、綺麗に積み上げて、それを蒸して冷まして…と。それでも時間を手間をかけてでもやってあげたいと思うこの気持ちこそが "供養" だなぁと感動しました。

手を合わせる、お経をあげる、お花やお菓子などをお供えする、亡くなった方のための供養にはいろいろな形がありますが、いちばん大切なことはその気持ちです。ワンちゃんもこんな心のこもった供養をしてもらえて幸せだぁと思います。

 

話は少し変わりますが、「お盆とか命日とか、予定が合わなくてなかなかお参りに来れなかったんですけど…」とか言って休みの日に一人でお参りに来ている方のお話を聞いても思います。その日にお参りに行けなくても、故人を思う気持ちがいちばんの供養です。こうして来れるときに来てくれればいいと、私は思います。

 

少し脱線してしまいましたが、供養で大事なことは「こうする、ああする」っていう "形" じゃなくて、その人を思う "気持ち" ってことですね!!

 

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*1:人が亡くなったとき、いちばん最初に枕元でお経をあげます。「枕経(まくらぎょう)」ともいいます。