4代目住職、尼僧です!

38歳で3児の母、ゆるりゆるりと住職やってます

僧侶になるための修行って厳しいの?って話

まず、どうして女の私が住職になることになったのかはこちらです。

shingon-in.hatenablog.com

 

 

ある檀家さんに聞いた話です。

「実家のお寺の若さんが修行に行ってたんだけど、途中で脳いっ血で倒れて帰ってきちゃったらしいの。今はまだ入院してリハビリをしているらしいんだけど、ちゃんとお経が読めるようになるまで回復すればいいんだけど…。修行ってそんなに大変なんだねえ…。」

聞くところによると、そのお寺は曹洞宗で、若さんはまだ20歳すぎ。曹洞宗の修行について詳しくは知りませんが、修行が厳しい宗派の印象があります。脳いっ血で倒れる人もいるのだから、まさに修行は命を懸けたものだといえます。

私と修行同期だった当時19歳の男の子は、修行が始まって数日でぎっくり腰になってしまい修行を続けることができなくなってしまいました。次の年、もう一度挑戦していましたが、また数日でぎっくり腰が再発してしまい修行は中止になりました。彼はその後どうなったのでしょうか。

私の次の年に修行に入った女の子は、精神的に病んでしまったのか途中で体が思うように動かなくなり、修行を続けることができなくなってしまいました。その子は次の年にもう一度挑戦し、無事に修行を終えたそうです。

今年4月には私と同じくお寺の一人娘だった私の友人が修行に入りました。彼女もまた修行の途中で精神的に病んでしまい、修行を続けることができなくなってしまいました。今は病院に通いながら自宅療養中です。まずはゆっくり休んで気持ちを落ち着けてからその後のことを考えてほしいと思います。

 

真言宗では僧侶になるために約100日の修行があります。私も父の跡を継いで住職になるために修行にいきました。当時、修行はとてもつらかったです。途中でリタイヤするまいと思って頑張っていましたが、途中で体や心を壊すこともなく最後までやり遂げられたのは、それが仏さまがくれた「ご縁」があったからなんだと思います。
修行を終えることができた自分がエライとか、仏さまから選ばれた自分がスゴイとか、そういうことを言いたいわけでは決してありません。修行を終えられたときに心から感じたのですが、すべてのことは自分の力だけでできているわけじゃない、すべては「ご縁」なんだなって思うのです。

 

私が修行にいっていたのは6年前の冬(前期)と5年前の夏(後期)、ちょうど6年前の今頃は高野山の道場で後期の修行中です。懐かしい気持ちになったので、昔のSNSに投稿していた日記を読み返してみました。

下の2つは前期の修行が終わったばかりの私の日記です。

 

 

タイトル「無事帰ってきました」 2009年3月29日

1ヶ月半の修行を終えて今日俗世に帰ってきました。ひび割れやらしもやけやらでボロボロです。ちなみにむくみは手だけじゃなくて全身です。顔もです。そして顔が変に赤いです。これらの不調はきっと何かの栄養素が不足していたからだと思われます。 
正直やり遂げる自信なかったのですが、終わってみればあっという間で、自分の人生のなか1ヶ月半の記憶がぶっとんでる感じです。なかなか特異な体験をしたと思うので、 詳しい修行日記はおいおい書いていきます。とりあえずお疲れさまでした。明日実家に帰ります。

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タイトル「俗世の朝いちにちめ」 2009年3月30日

普通の生活の幸せをかみしめています。今朝は、念願だったたまごサンドを食べました。ああ幸せだ。こんなので幸せを感じるのかとこんなあたしを哀れんでくれる人は、あたしになにか美味しいものを奢ってください。動物性タンパク質のものならなんでも喜びます。
ただ、気が抜けたからか手の痛みが非常に辛いです。指先は10本中8本がひび割れしてます。親指は出血するほどの深いひび割れが2カ所ずつ。手の甲側の指はしもやけで何かが触れるだけで痛い。介護用手袋を常にはめてる状態でなんとか暮らしています。
今朝は常の如しの4時起きで帰省のための荷造りをしたのですが、こんな急日程で実家に帰るには訳がありまして。お世話になった方もいるので報告いたします。
あたしも修行に入るほんの30分前に知ったのですが、2月13日に父が亡くなりました。修行中は親の不幸だろうがなんだろうが帰ることはできないから、その日はそのまま修行に入りましたが、いやぁドラマチックな1日だったわ。
(中略)
元気だった頃の父と、病院での父と、今はもういない父。どれも同じ父だっていう実感が全然わかない。正直、帰るのが怖いです。でも、父と母に一番の親不孝をしながら行かせてもらった修行。がんばってきたよって報告をかねて、初めてのお経を父のためにあげます。ちょっと遅くなったけど、これも親孝行だよね。お供え物、なに買ってってあげようかなぁー

 

 

他にも修行中のことなどが書かれた日記もありました。友人のみの限定公開で書かれたもので非常にゆる~い文章なのですが、修行から帰ってきたばかりの私のリアルな気持ちが書かれています。これはちょっと面白いかもと思うので、次回以降で少しずつ公開していくことにします。どうぞお楽しみに(?)

 

 

<修行レポ 目次>

プロローグ

僧侶になるための修行って厳しいの?って話 - 4代目住職、尼僧です!

その1
修行日記1~朝起きたら暗くて天気がわからないよ~ - 4代目住職、尼僧です!

その2
修行日記2~魔法使いになっちゃったよ!~ - 4代目住職、尼僧です!

その3
修行日記3~精進料理なエビチリ!~ - 4代目住職、尼僧です!

その4
修行日記4~居眠りしてたらユーレイ先生に怒られた!~ - 4代目住職、尼僧です!

その5
修行日記5~自分の縁に感謝すること~ - 4代目住職、尼僧です!

その6
修行日記6~後期加行編~ - 4代目住職、尼僧です!

その7
修行日記7~先生側も経験させてもらいました~ - 4代目住職、尼僧です!

 

番外編(修行に入る日の朝、友人からのメールで父の死を知った話です)
父が死んだ日のこと - 4代目住職、尼僧です!

 

 

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