4代目住職、尼僧です!

38歳で3児の母、ゆるりゆるりと住職やってます

弔いランチ

コロナ禍により最期のお別れが十分にできず、悲しみを長く引きずってしまう人が多いそうです。

今年2月、私の高校時代の友人が亡くなりました。葬儀にも参列していませんし、ご自宅へのお悔やみも遠慮しました。彼女の死を実感したことといえば、新聞のお悔やみ欄で名前を見たのと、ご家族と電話で話しただけ。実感が湧いてきません。

同じようにお別れができず実感がわかないでいる共通の友人とは、「『弔いランチ』しようよ」と話しています。『弔いランチ』は私が勝手に言い出した言葉ですが、亡くなった彼女を思い出しながら、彼女と一緒に行きたかった、行こうねと約束していたところに行って、一緒に彼女との思い出を語り合おうよ、というだけのことです。

 

これを書いている今、お寺の納骨堂におまいりの方がいらっしゃいました。一昨年亡くなって、誰にも知らせずに家族3人だけで葬儀をした方です。その方のお友達という方が、たまにおまいりに来てくださいます。ご家族の知らないところで。

 

そういうのもいいなと思います。それでお友達も救われているんだと思います。

 

弔いのとき、弔いの方法はそれぞれに。

 

亡き人を想い、自分の心と向き合う時間をそれぞれに持って、少しずつ受け入れていきましょう。

子や孫へ、念珠のプレゼントのススメ

 母が親戚と電話で話していました。

「孫が社会人になるから、自分の数珠を持たせたい。プレゼントしてあげたいんだけど、どこで買ったらいい?」

という相談でした。

 うちはお寺なので取引先の仏具屋さんがあります。いつも念珠*1をお願いしている仏具屋さんに頼めば多宗派の念珠でも作ってもらえるので、その親戚宅にカタログを送ってお孫さんに好きな石と房を選んでもらって仕立てることにしました。

 

 そういえば、私が札幌で会社員として働き始めるとき、親に「喪服と念珠を持っていっておきなさい。急に必要になるから用意しておいたほうがいい」と言われました。札幌から実家までは車で2時間ほどだったので、私は「いいよ、すぐ帰ってこれるんだし」と言って持っていきませんでした。

 しかし、必要なときは意外に早く訪れました。働き始めて半年後、直属の上司が亡くなり、お通夜に参列することになりました。慌てて実家まで車を走らせ、自分の喪服*2と念珠*3を持ち、バッグは母に借りてお通夜に出ました。本当に「急に」必要になることをそのときに知りました。親の言うことは聞いておくものです。

 

 社会人になると、親と離れたところでお通夜などに参列する機会が急に訪れます。学生のうちは親と一緒で「あれ持った?」「これも必要だよ」などと親が整えてくれたりしますが、社会人になって親元を離れていたりしたら自分で準備しなければなりません。それまでに親戚の葬儀などに参列したことはあってもそのときは自分で用意してはいないでしょうから、全部自分で、というのはなかなか大変です。

 それを見越して、親が「もしものときのセット」を整えてあげておくのは良いと思います。社会人になるときか、20歳になるときか、その頃がタイミングとしても丁度よいかもしれません。「これからは自分でやるんだよ」と。

 

 というわけで、全国のお父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃん、成人のお祝い、または社会人になるお祝いに、しっかりした念珠のプレゼントはいかがでしょうか?念珠は傷んでも直しながら使えば一生もの、いや、それ以上に使っていけるものですよ。

 

 2年前になりますが、お寺でこんなイベントもやりました。

f:id:shingon_in:20210929123214j:plain

f:id:shingon_in:20210929123220j:plain  

 中高生ともなれば振り回したりして壊すこともないので、そろそろいいものを持っていても良い頃だなと思いまして。しかも、いろんな材質・色のものがあるので、みんなそれぞれがお気に入りの一本を持ってほしいなと思いまして。いろいろな色の念珠見本の中から楽しんで選んでくれていたので、私もとっても楽しかったです。

 

 大人になったら、自分の念珠をまずひとつ持つ。もし持っていないようでしたら、まわりの大人からプレゼントしてみてはいかがでしょうか。

*1:念珠=数珠。どちらの呼び方でもOKです。私は「念珠」が言い慣れているので念珠でいきます

*2:大学生のときに祖父母が亡くなったので喪服は持っていた

*3:寺の娘なので念珠も持っていた

3種類の白檀のお線香を購入し、お線香レビューしてみました

先日、白檀のお線香を数種類購入し、試してみました。

お線香の香りは最近は本当にいろいろありますが(今は下の写真のようなものも!全部お線香です!)、伝統的な香りといえば沈香(じんこう)」「伽羅(きゃら)」「白檀(びゃくだん)」といったところだと思います。

f:id:shingon_in:20210801132005j:plain

カメヤマ「好物線香」シリーズ(カメヤマホームページより)

実は私、白檀のお線香は少し苦手です。なぜかお寺には沈香の香りのお線香が多く、いただくのも沈香か伽羅のものばかりです。ある仏具関係のお店の方はこうおっしゃっていました。

「お寺さんが好きなのは沈香、一般受けするのは白檀」

確かにそんな気がします。周りのお寺さんに聞いてみると沈香派の人が多く、お寺関係でない人に2種類のお線香を嗅いでもらってどちらが好みか聞いてみると白檀と答える人が多かったです。理由はわかりませんが、不思議ですね。

 

そんなわけで、うちのお寺のお線香も見事に沈香系に偏っています。私自身も沈香派で白檀の良さをほとんど知らないので、詳しい方に白檀のお線香のおすすめを聞いていくつかおすすめをいただいた中から購入してみました。

 

左のふたつはおすすめをいただいたもの。右のものは名前とパッケージが気に入ったので買ってみました。いわゆる「パケ買い」ってやつです。
f:id:shingon_in:20210729161130j:image

 

左から、


「大香木(だいこうぼく) 白檀」

ーー精華堂(せいかどう)


「白檀 九重香(ここのえこう)」

ーー梅栄堂(ばいえいどう)


「卑弥香(ひみか)高級白檀」

ーー香の宮(かおりのみや)

 

開けてみました。
f:id:shingon_in:20210729161545j:image

 

開けたときの感想です。

「大香木」…思っている白檀の香り。それに爽やかなスーッとする香りもする?

「九重香」…薬草っぽい香りがする?なんか昔懐かしい気がするけど…なんか口に入れるもののような気がするけどなんだろう?

「卑弥香」…やさしい。ちょっと甘い?まろやか?

 

当然ですが、それぞれ香りが違います。おもしろい。

 

さて、実際に火をつけて焚いてみましょう。お線香は火をつける前と後では香りがけっこう違います。同じ部屋で焚くと香りが混ざってしまうので、部屋をいくつか用意して部屋ごとに香りを変えて焚いて試します。 
f:id:shingon_in:20210729162257j:image

「大香木」…思ったより軽い?火をつける前は正直ちょっとニガテ…と思っていたけど火をつけたらそうでもないかも??他と比べると煙の量がやや少ない?

 


f:id:shingon_in:20210729162307j:image

 「九重香」…やさしい香り、爽やか、軽い。これもけっこう大丈夫。ニガテじゃない。

 


f:id:shingon_in:20210729162242j:image

 「卑弥香」…さわやか。軽い。白檀感は薄め?これが天然白檀? 若干煙っぽいというか焼香っぽい?これも大丈夫、苦手じゃない。

 

 

んん???

違いがよくわからないぞ……

え、、、、、3つとも良い…でいいかな…?

火をつける前の違いがあるのは分かったけど、火をつけたら違いがよくわからなくなっちゃった(;´Д`)

 

3つの部屋を行ったり来たりして、軽く息を吸ったり大きく吸い込んだり。

吸えば吸うほどわからなくなってきました。

部屋の広さも違うし、もともとの部屋の匂いも違うから、香りを比べるのにはマイナスだったかな??(言い訳がはじまった)

 

 

【結果】

どれも、良い香りだと思います!!!!!!

 

 

今年のお盆はこの3種のお線香をお寺に置いてあります。「本堂正面」「本堂右の永代供養壇前」「廊下のびんずるさん前」の3か所です。お寺にお参りの際は実際に試してお確かめください(^_-)-☆

ど根性の中のど根性ひまわりが芽を出した

f:id:shingon_in:20210622124446j:plain

お寺の畑の片隅、植えた覚えのない場所からひまわりの芽が出てきました。

ど根性の中のど根性ひまわりです!!

 

 

どういうことかというと・・・・・・

 

 

「ど根性ひまわり」とは?

  宮城県石巻市でのこと。東日本大震災の大津波のあと、瓦礫の中から一本のひまわりが芽を出しました。津波によってどこからか流れ着いた一つのひまわりの種が、塩害にも負けずにたくましく育ち、その夏、大きな花を咲かせました。勇気をもらった石巻の人たちは、そのひまわりを「ど根性ひまわり」と呼びました。

 その夏の終わりに採れた約150個の種は2世3世と生命を繋ぎながら、日本各地や海をも越えて大勢の人に育てられています。2011年の夏に花を咲かせたひまわりが一世とすると、今年2021年に咲く花は【ど根性ひまわり11世】です。

 

「ど根性ひまわり10世」から「ど根性ひまわり11世」へ

 去年の春、縁あってど根性ひまわり10世の種が真言院にやってきました。真言院の裏の畑で育て、その種をとりました。3月の法要のとき、お参りくださった皆さんに真言院の畑でとれた【11世の種】を持ち帰ってもらいました。

f:id:shingon_in:20210622113803j:plain

 

ここまでの話はこちらに↓↓↓↓↓↓

mytera.jp

 

 

 

 そして、今年ももちろん、お寺の畑に【11世の種】を植えました。しかし、その植えた場所以外のところからひまわりが生えてきたのです。考えてみると、きっとこれは鳥に食べられてしまった種の一部です。鳥が落とした種が冬を越え春に土に根を張り芽を出したのです。

 

すごい!!ど根性!!!!

 

 

 今年も元気にたくましく大きな花を見せてくれるのか、来年に繋ぐ種はちゃんと採れるのか。夏がとても楽しみです。

f:id:shingon_in:20210622125530j:plain

去年、うちの畑で咲いた「ど根性ひまわり10世」の花

 

園児みんなに挨拶してくれるおばあちゃんが大切にしていたこと

 孫もひ孫も保育園には通っていないけど、運動会を見に来たり子供達の名前を覚えて挨拶してくれる、保育園の近所に住むおばあちゃんがいます。園児に会うとみんなに「おはよう」「元気だねえ」「大きくなったねえ」と声を掛けて笑ってくれ、園児みんなのおばあちゃんみたいだなあと思っていました。

 ある日、ふとしたことからそのおばあちゃんの昔話を聞くことになりました。

「実はな、2回子供を堕ろしてるんだ、生活が苦しくて。そのときに、当時世話になったおばさんに、『よその子でも誰でも子供を可愛がりなさい』って言われたんだ」

 その話を聞いて、おばあちゃんは本当にみんなのおばあちゃんだったんだと思いました。よその子も、自分の子や孫と同じように想ってくれていたんです。おばあちゃんは若い頃に言われた通りに生きていたんです。

 子供達に注いでくれた愛は、昔に失った小さな小さな命にもきっと届いていると思いました。

f:id:shingon_in:20210610134235j:plain

 

いつかやりたいこと

お寺に子供を集めて、みんなで境内の落ち葉掃き。

集めた落ち葉で焼き芋。

焼きあがるまで、ちょっと宿題かなんかして。

ちっちゃい子は塗り絵でもいいよ。

そのあと、境内で遊ぶ。

広いからおにごっこでもかくれんぼでも。

缶けりもいいな。

焼き芋が焼きあがったら、みんなでアツアツいいながら食べる。

 

 

いつかやってみたい。

 

 

f:id:shingon_in:20210531094758j:plain

 

オンライン法事がどんどん行われています(^^)v

 お寺でのお参りもオンライン化が進んでいます。うちのお寺もこの一年いろいろな形のオンライン法事を行ってきました。

・お寺で住職のみでお勤めをし、他の方は各地からZoomなどで一緒におまいりをする

・住職と施主さんだけでお勤めをし、他の方は各地からZoomなどで一緒におまいりをする

・住職と施主さんだけでお勤めをし、後日編集したものをYoutubeで配信(限定公開)

などなど。

 法事に参加される方がどのくらいいらっしゃるのか、同じ時刻に参加可能なのかなどそれぞれ事情が異なりますので、それぞれの事情に合わせた方法を選んでもらっています。それ以外にも、こちらからお話ししなくても施主さんのお宅でオンライン法事の席を作ってくれていることもあります。 

 

 先日、「法事だけど私一人だから」という70代女性のお宅へお参りに行きました。玄関から居間へ向かうと奥から人の声が。居間の真ん中にはアレクサが置かれ、アレクサには息子さんが映っていました。

f:id:shingon_in:20210520085643p:plain

 

 そちらのお宅は息子さんがwifiを繋いでくれてアレクサの接続方法もしっかり伝授してあって、いつでもテレビ電話ができる状態になっていました。

f:id:shingon_in:20210525114159j:plain

 電話の呼び出し方なども丁寧に台本が書かれていて、書いてある通りにアレクサに話しかければ息子さんのもとへとテレビ電話が繋がります。通話を終えるときも台本通りにアレクサに話しかけるだけ。ここを押して次にここを押して…というのがないのがアレクサのいいところだと思います。
 そして、画面の向こう側の息子さんの手にはスマートフォンが。その中にはまた違う地に住んでいらっしゃる娘さんが映っていました。施主さんと二人だけで法事だと思っていましたが、オンラインでお二人のお子さんも一緒にお参りすることができました。

 

 私が仏壇の近くでお勤めの準備をしていると、画面の中から、

「かあさん!住職来たんだからマスク!!」
と息子さん。

「かあさん!お参り始まるからテレビ消して!」
と娘さん。

「はいはい、うるさいねえ」
と施主さん。

いつものように賑やかで和やかな雰囲気の法事となりました。

 

 別のお宅ではアメリカ在住の娘さんがLINE電話で法事に参加されたこともありました。新型コロナウイルスの感染が収まらないこの状況下ではなかなか人が集まる法事が行えません。直接は行けないから、行くのをやめるか別の方法を考えるか。私はこのようなツールをどんどん使っていくことに大賛成です\(^o^)/