母が親戚と電話で話していました。
「孫が社会人になるから、自分の数珠を持たせたい。プレゼントしてあげたいんだけど、どこで買ったらいい?」
という相談でした。
うちはお寺なので取引先の仏具屋さんがあります。いつも念珠*1をお願いしている仏具屋さんに頼めば多宗派の念珠でも作ってもらえるので、その親戚宅にカタログを送ってお孫さんに好きな石と房を選んでもらって仕立てることにしました。
そういえば、私が札幌で会社員として働き始めるとき、親に「喪服と念珠を持っていっておきなさい。急に必要になるから用意しておいたほうがいい」と言われました。札幌から実家までは車で2時間ほどだったので、私は「いいよ、すぐ帰ってこれるんだし」と言って持っていきませんでした。
しかし、必要なときは意外に早く訪れました。働き始めて半年後、直属の上司が亡くなり、お通夜に参列することになりました。慌てて実家まで車を走らせ、自分の喪服*2と念珠*3を持ち、バッグは母に借りてお通夜に出ました。本当に「急に」必要になることをそのときに知りました。親の言うことは聞いておくものです。
社会人になると、親と離れたところでお通夜などに参列する機会が急に訪れます。学生のうちは親と一緒で「あれ持った?」「これも必要だよ」などと親が整えてくれたりしますが、社会人になって親元を離れていたりしたら自分で準備しなければなりません。それまでに親戚の葬儀などに参列したことはあってもそのときは自分で用意してはいないでしょうから、全部自分で、というのはなかなか大変です。
それを見越して、親が「もしものときのセット」を整えてあげておくのは良いと思います。社会人になるときか、20歳になるときか、その頃がタイミングとしても丁度よいかもしれません。「これからは自分でやるんだよ」と。
というわけで、全国のお父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃん、成人のお祝い、または社会人になるお祝いに、しっかりした念珠のプレゼントはいかがでしょうか?念珠は傷んでも直しながら使えば一生もの、いや、それ以上に使っていけるものですよ。
2年前になりますが、お寺でこんなイベントもやりました。
中高生ともなれば振り回したりして壊すこともないので、そろそろいいものを持っていても良い頃だなと思いまして。しかも、いろんな材質・色のものがあるので、みんなそれぞれがお気に入りの一本を持ってほしいなと思いまして。いろいろな色の念珠見本の中から楽しんで選んでくれていたので、私もとっても楽しかったです。
大人になったら、自分の念珠をまずひとつ持つ。もし持っていないようでしたら、まわりの大人からプレゼントしてみてはいかがでしょうか。