孫もひ孫も保育園には通っていないけど、運動会を見に来たり子供達の名前を覚えて挨拶してくれる、保育園の近所に住むおばあちゃんがいます。園児に会うとみんなに「おはよう」「元気だねえ」「大きくなったねえ」と声を掛けて笑ってくれ、園児みんなのおばあちゃんみたいだなあと思っていました。
ある日、ふとしたことからそのおばあちゃんの昔話を聞くことになりました。
「実はな、2回子供を堕ろしてるんだ、生活が苦しくて。そのときに、当時世話になったおばさんに、『よその子でも誰でも子供を可愛がりなさい』って言われたんだ」
その話を聞いて、おばあちゃんは本当にみんなのおばあちゃんだったんだと思いました。よその子も、自分の子や孫と同じように想ってくれていたんです。おばあちゃんは若い頃に言われた通りに生きていたんです。
子供達に注いでくれた愛は、昔に失った小さな小さな命にもきっと届いていると思いました。