4代目住職、尼僧です!

38歳で3児の母、ゆるりゆるりと住職やってます

妊婦とお葬式

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「妊婦は火葬場に行ってはいけない」

「妊娠中に葬式に出るとアザのある子が産まれる」

など、昔は妊娠中のお葬式にまつわる迷信があったようです。僧侶である私も二度の妊娠出産をしましたが、妊娠中は「妊婦さんなのにお葬式は大丈夫なの?」「お腹に鏡を入れておくといいのよ」などと心配してもらったこともありました。
妊娠中にも何度か葬儀が入り、導師を勤めましたが、お腹に鏡は一度も入れていかなかったし、怖いとも思いませんでした。
なぜならそもそもこれらの考え方は、死を穢れとする昔の日本にあった死生観からきたもので、仏教的ではありません。仏教では、死は仏様に近づく一歩であり、忌み嫌うべきものではないはずです。
それに、顔を知っている檀家さんの方が、亡くなったからといって私のお腹にいる赤ちゃんに悪さをするなんて考えられませんでした。むしろ、ひとつの命を終えた人がお腹の中の赤ちゃんに生きるパワーを分けてくれたような、そんな気さえしました。一人目の妊娠のとき一番最初に送った方が106歳のおばあちゃんだったからかもしれません。

 

おかげさまでうちの子供たちは二人とも元気に育っています(^^)/

 

なので、もしも 「妊婦なのにお葬式に言っても大丈夫かな…」と気にしている人がいたら、こう声を掛けてあげたいです。

「大丈夫だから、大事な人、送りたい人はちゃんと見送ってあげてください!」
「でも、決して無理はしないように!」

お葬式に参列するのは身体的・精神的に負担が掛かります。だから妊婦の体調を心配して「お葬式はNG」と言う人がいるんだと思います。

だから、自分のためにも亡くなった大事な人のためにも、決して無理はしないように!

 

 

そして…

実は私、現在3人目がお腹の中にいます。
妊娠9ヶ月目に入り、ゴールデンウイーク頃出産予定です。
とりあえず無事に出産できるようにがんばります。

 

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サバ断ちって知っていますか?

断ち物(たちもの)とは、神仏に願掛けをした時に、自分の好きな食品や嗜好品もしくは薬などを絶って、禁欲により願掛けを強力にできるという民間信仰。断ち物とするものは酒、煙草、茶、薬品などさまざまで、最初は身を清める目的に近い信仰対象の嫌うものを絶つ、女絶ち、肉絶ちなどが主流だったが、のちに自分の好物が多くなる。 もっとも有名な例では、上杉謙信の女絶ちと春日局の薬絶ちがある。(wikipediaより)

タイトルの「鯖(サバ)断ち」とはその名のごとく魚のサバを断つことで、徳島県にある鯖大師本坊というお寺で行われている祈願の方法です。
鯖断ち祈願、奉納絵馬のお申し込み|四国別格霊場 第四番札所 鯖大師本坊


実は、我が家でも長い間サバ断ちが行われていて、私は生まれてから20年近くサバという魚を知らずに育ちました。何の願を掛けたサバ断ちだったかというと、それは私が生まれる前の話に遡ります。


結婚後もしばらく子が授からなかった我が家。家族がこの鯖大師本坊にお参りをした際、このサバ断ちを知り、子宝成就の願掛けをしました。サバ断ちのおかげかその数年後には無事に子供を授かることができ、サバ断ち期限の3年を迎えましたが、「もしもこの後なにかあったら」の思いもあり、そのあとも食卓にサバが出ることはありませんでした。授かった娘が成長し、二十歳を迎えるときまで…。


私がサバという魚が美味しいと知ったのは大学生のとき。アルバイトをしていたファミリーレストランのまかないで初めて「鯖の味噌煮」を食べました。その美味しさに感動した私は、その後実家に帰省した際、母に「サバって魚が美味しい!」と報告しました。そしてそのときに初めて我が家のサバ断ちの話を聞いたのでした。

願を掛けられていた張本人が、この魚に願を掛けられていたなんて知らず「美味しい!美味しい!!」と食べていたわけです。

 

昼食にいただいたお弁当に鯖の塩焼きが入っていたのでこの話を思い出しました。サバって美味しいですよね。今では大好きです。

みなさんも、なにか叶えたいお願い事がありましたら、サバ断ちなんていかがでしょうか。我が家はずっと断っていましたが、本来のサバ断ちは3年間だそうです。

丸六年経ちまして

「住職さん、立派になったねえ。お葬式のときはまだ初々しかったけど。」

先日の7回忌法要にて、檀家さんの親族の方にそう声を掛けてもらいました。嬉しいような恥ずかしいような申し訳ないような。6年前の葬儀のときの私は、それはそれは頼りなかったことと思います。

あの頃、私は本当に新米僧侶でした。真言宗の僧侶として認められる「伝法灌頂(でんぽうかんじょう)」を受けてからまだ3ヶ月だったし、修行を始めたときから数えても1年以内でした。右も左もわからない、でもやるしかない。常に自らのキャパシティーオーバーを感じていました。そんな様子をたぶんみなさん冷や冷やしながら見守ってくれていたんだろうと思います。

導師一年生の私が送った檀家さん方が、今年7回忌を迎えていきます。6年前の葬儀のこともけっこう覚えているもので、至らなかったところがいろいろと思い出されます。そんな申し訳ない気持ちも抱えつつ、これからもしっかり供養を続けさせてもらおうと思いました☆

私のカバンの中

突然ですが、私が月命日などに行くときに持ち歩くお仕事バッグの中身です。

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左上から、

1、お経の本

2、数珠 
 最近仕立てたばかりの正梅の数珠です。房は淡いピンク色。

3、お気に入りのお線香
 松榮堂の「微笑」というお線香です。
 沈香系のお香で少しスパイシーな香りがします。ちょっと特別なときなど、このお線香を焚くと気持ちが引き締まります。

4、ライター
 お仏壇のマッチやライターが点かないときや見当たらないときのため、ちゃんとマイライターを持ち歩いています。ちなみに、お盆など時間のないときは、檀家さん宅のライターは借りずに100%マイライターで火を点けます。時間短縮のため。

5、ふくさ

6、「お参りしました」通知 & 懐紙など
 「お参りしました」通知とは。田舎ならではだと思いますが、農家など昼間不在のお宅の留守中に勝手にお邪魔してお参りをして帰ってくることがあります。そのとき、「何時頃、お参りしました」と置き手紙を残してくるための紙です。
 懐紙は、その他の置き手紙やメモ用紙に使ったり、何かを渡したりいただいたときに包んだり、いろいろとちょっとしたときに使えて便利です。
 そして、その下の黄色の袋はこれらを入れるためのもの。七福神のイラストが描かれた生地で手作りしてみました♡

7、ノート & ボールペン
 なんでも書き込んでいる手帳がわりのノート。campusのこのサイズのが気に入っていて、もう10冊目くらいになっています。ボールペンは、最近しゃれたものが欲しいなと思ってLAMYのを購入。

 

ちなみにお仕事バッグはこんな感じのトートバッグ型。非常に使いやすいです。

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修行日記4~居眠りしてたらユーレイ先生に怒られた!~

さて、昔のSNSに残されていた修行を終えたばかりの私の日記、修行レポその4です。

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2009年5月10日

修行日記4~居眠りしてたらユーレイ先生に怒られた!~ 

修行中は、肉体的精神的に追い込まれ神経が研ぎ澄まされているからか、それとも環境が環境なだけにいろいろ寄ってきちゃうのか、 やっぱり生きた人間以外のものもまわりにはいっぱいいたみたいです★信じる人も信じない人もいると思いますが、 修行中に起こったちょっとした心霊体験についてお話したいと思います。

修行を始めて3日目くらいの夜、消灯前に少し霊感がある2人がこんな話を始めました。

 「道場に先生がいっぱいいるように見えるんだけど・・・」 

えーちょっとやめてよやめてよ!!
消灯前にそんな話するのやめてよ!!!
歯磨きに行けなくなっちゃうじゃん!!!

そんな風に騒いであたしがその話を遮ろうとしたのですが、 「あ、やっぱり?そうだよね!?」ってな感じで話は続きます。 

「足から下しか見えないんだよねー」 
「偏衫(へんざん:衣の形)っぽいの着てるよねー」 
「通路の真ん中とか前とかをよく歩いてるよねー」 
「でも悪い霊じゃないから大丈夫!」 

もう!やめてやめて!!全然大丈夫じゃないから!!!ってな感じで多少気になりつつも、怖いので深くは考えずにその日は寝ました。で、次の日、いつものように行をしていたのですが、(・・・そういえば・・・)と、昨日の話を思い出しました。

行をするときは、目の前に金色の仏器をいっぱい並べてあるのですが、その金色に、黄色いものが映って動いているように見えていたんですよ。 そういえば、いつも。それまでは「ろうそくの火が映ってるんだな」って思ってたんですけど、よく考えたら角度的に絶対ろうそくは映らない場所なんですよね。仏器に移る場所つまり私の前には、動くものは何もないんですよね。

(あれっ?これってもしかして・・・?)

そしてもうひとつ思い出しました。よくあたしの左横に先生の気配を感じてたんですよ。 「あ、先生見てるから気合い入れてやらなきゃ」と思って、あとから横目でチラッと見ると、先生はいなくて、「あ、やっぱりいなかったんだぁ。気のせいかぁ。」って思ったことが何度もあったんです。その気配もけっこう存在感のあるもので、黄色い衣の人がこっちを向いて立っていて・・・、というのがわかる感じなんです。

(あれっ?これももしかして気のせいじゃなかった・・・?)

行が終わって、昨日話していた子達に確認してみました。 

「道場にいる幽霊って・・・黄色い衣??」 

すると、2人が声を揃えて。 

「そうそう!黄色だよ!」 

「あたしも見えてたわ。隣に立ってこっち見てる感じするんだけど・・・」 

「あー、いるよ。ひーちゃんの横にも一人いるよ」 

あーーー。 やっぱりでしたかぁ。でも、2人が言うように、本当に悪い霊ではなさそうなんです。姿が見えても、嫌だとか怖いとかそういう感じはしないんです。あたしがその先生の姿をみるのは、だいたいぼーっとしているときか、居眠りをしているときなんですよね。あたし、よく行中に居眠りをしていたのですが(笑)、寝ているとあたしの左横でユーレイが黄色い衣をバサッとやっていって、それで起こされるんです。あと、最初のほうはみんなで声を揃えてお経を読んだりしていたのですが、それが慣れないお経で最初はうまく合わせられなかったりしたんです。そのときに、あたしには聞こえなかったのですが、道場の後ろに立ってる誰かが足でリズムを取ってくれたりもしたらしく、そんなことや、ユーレイの服装などから、道場にいるのは間違いなく先生のユーレイだということになりました。

居眠りをしているといつもユーレイ先生に怒られるので、それからは本物の先生がいないときでも集中しなきゃなーって思うようになりました。尼僧はけっこう先生がついてくれなくて放置された状態で行をすることが多かったので、ユーレイ先生が見ていてくれたのかなーなんて思ったりもしました。

そんなユーレイ先生も、気がつけばいつの間にか姿を見せなくなっていて、あたしだけかと思えば、最初から見えていた2人も「最近見なくなった」と言っていて、最初のほうは体力的にも追い込まれてた時期だったからだったのかもしれないけど、とりあえず最初の数週間、いっぱいの霊を見ました。でも、怖いとかそういうのは一切なくて、いい霊だったんだろうなぁと思います。

以上! つづく!

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<修行レポ 目次>

プロローグ

僧侶になるための修行って厳しいの?って話 - 4代目住職、尼僧です!

その1
修行日記1~朝起きたら暗くて天気がわからないよ~ - 4代目住職、尼僧です!

その2
修行日記2~魔法使いになっちゃったよ!~ - 4代目住職、尼僧です!

その3
修行日記3~精進料理なエビチリ!~ - 4代目住職、尼僧です!

その4
修行日記4~居眠りしてたらユーレイ先生に怒られた!~ - 4代目住職、尼僧です!

その5
修行日記5~自分の縁に感謝すること~ - 4代目住職、尼僧です!

その6
修行日記6~後期加行編~ - 4代目住職、尼僧です!

その7
修行日記7~先生側も経験させてもらいました~ - 4代目住職、尼僧です!

 

番外編(修行に入る日の朝、友人からのメールで父の死を知った話です)
父が死んだ日のこと - 4代目住職、尼僧です!

 

 

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我が寺のとっても地味なお正月

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新年明けましておめでとうございます。

前回のブログから1ヶ月以上が経ってしまいました。帯状疱疹による痛みでいろんなことに対する気持ちがぽっきり折れること約1ヶ月。その間に年の瀬が近づきバタバタとしてしまい、すっかりご無沙汰となってしまいました。

…と、これは完全に言い訳です。帯状疱疹はもうすっかり良くなりました。今年も元気にがんばります♪

さて、「お正月は、お寺って忙しいんでしょ?」とよく聞かれます。答えは「お寺によります」です。ちなみにうちのお寺は一般家庭とほとんど変わらない年越しです。少しお寺らしいことといえば、大晦日の夕方に年納めのお勤めをすることと、正月の1日から3日までの朝、年初めのお勤めを家族全員ですること、くらいでしょうか。

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これは大晦日の午後5時すぎ、薄暗くなった頃に雪の中で本堂の明かりが灯っているのが綺麗でこの景色が気に入っています。

 

除夜の鐘もなければ、お正月に特別な法要をするわけでもなく、初詣に来る人もほとんどいません。何名かの檀家さんが12月30日か31日頃に納骨堂にお正月のお供えに来るくらいです。ですから、大晦日の夜は家族水入らずで年越しそばを食べ、紅白歌合戦を見て、そして穏やかに年を越しました。

年明けも1月1日に村の仏教会の新年会に出席していましたが、それ以外は親戚が訪ねて来たり子供達と遊んだりで、お寺らしいことはなにもありません。ふつうのお正月です。

 

1月3日の午後からは、村内の檀家さんのお宅へ年始参りをはじめます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

帯状疱疹が痛いです…健康ってありがたい!

18日から右腕にピリピリとした痛みを覚え、20日夜に右腕全体の痛みで腕が上がらなくなり、21日にマッサージに行きましたがまったく回復せず。24日、ようやく平日になったので病院に行ってみようと思い、右腕を見たら発疹が出ていました。病院に行くと診断はすぐにつきました。帯状疱疹でした。

噂には聞いていましたが、帯状疱疹は痛いです。ものすごく痛いです。

治療を開始して4日目ですが、痛みは続いています。お参り等はほとんど休ませてもらい、極力安静にさせてもらっています。今日は1件だけお参りに行ってきましたが、合掌の高さまで腕を上げるのも辛いし、車の運転も左手一本しか使えないし、車の振動でも痛くて泣きそうになるし、やっぱりもうしばらく休ませてもらおうと思います。

帯状疱疹は、昔に水ぼうそうになったことのある人が、抵抗力・免疫力が落ちたときに体内に潜んでいた水ぼうそうウイルスが活性化して起こるらしいです。私もそんなに「疲れた」という自覚はなかったのにこうしてウイルスに負けています。

どうかみなさま、お体はお大事に。帯状疱疹はものすごく痛いですよ。

 

我が寺にある「びんずるさん」です。

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病気を治す力があるとされ、病気の人が患部と同じところを撫でると良くなるといわれる撫で仏さんです。びんずるさん(賓頭盧尊者)はおよそ2500年前に実在した人物でお釈迦さまの十六人のお弟子「十六羅漢」の一人です。博識で説法がとても上手で、また、神通力(今でいうところの超能力)が大変強い方でした。そのため賓頭盧尊者は、その優れた説法と強い神通力で人々のために尽くす仏さまとして親しまれています。

びんずるさん…私の帯状疱疹が早くよくなりますように。。。なでなで。