4代目住職、尼僧です!

38歳で3児の母、ゆるりゆるりと住職やってます

修行日記5~自分の縁に感謝すること~

昔のSNSに残されていた修行を終えたばかりの私の日記、修行レポその5です。
前期50日の加行編はこちらの「その5」にてひとまず完結です。 

それではどうぞ~

 

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2009年6月5日

修行日記5~自分の縁に感謝すること~

修行が明けてから2か月経ち、修行の記憶はどんどん薄れていきますが、 そうこうしている間に次の修行まであと2か月を切りました。 考え始めるとテンションがものっすごい下がります↓↓↓ 

ものっっすごい行きたくなくて行きたくなくてしょーがないけど、 次の修行に向けて少しずつ準備をし始めている今日この頃です。 なんか他にもいろいろ話したいことがあったような気がするのですが、 時間も経って熱も冷めてきたので、今回でもう締めちゃおうと思います☆ 

修業中、毎朝「道場訓」というものをみんなで読み上げます。 

一、あいさつをすること 

一、返事をすること 

一、わがままをいわないこと  ・・・

 

などといういくつかの道場訓の最後が、 

一、自分の縁に感謝すること 

というものでした。 

修業中、どの先生もこのことをものすごく言います。 来たくても来れない人、続けたくても続けられない人もたくさんいる中で、 今、ここに来させていただいていることをありがたく思いなさい、と。 あたしも最初は僧侶になる気なんてなかったのに、 いつの間にか僧侶を目指すことになってた。 何がどこでどうなったのかわからないけど、いろんなタイミングが重なり合って、 そして今に繋がっている。 これがまさしく縁ってやつなんだなぁって最近思うようになりました。 修業中に聞いたある先生の話がすごく胸に響きました。 

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今、地球には60億の人がいて、
もし一人一人と1秒ずつ挨拶をしていくとしたら、
60億秒≒190年かかる。
その間にも新たに生まれてくる人もいれば、
死んでいってしまう人もいる。
出会えたことが奇跡。
今、一緒にいる縁を大事にしよう。

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嫌いな人も、関わりたくないと思う人も、 みんな自分にとって意味のある人なんだってー。 同じように、嫌なことも、意味がないと思えることも、 全部自分が生きるために意味のあることなんだってー。 確かにそうなんだろうね。 修業は嫌で嫌で仕方ないけど、 自分にとって僧侶の資格以上に大きなものを得られると思っています。 こんな環境に追い込まれなければ、あんな生活絶対しようと思わないもんねー。 そうかー、これが縁ってやつなのねー よっし! 残り50日しっかりがんばってきますよ! たぶんまた弱音を吐くこともあると思いますが、 そんなときは励ましてやってください! よろしく☆ というわけで、前期50日の修行日記はこれで終わりー! 思ってたより面白いこと書けなかったけど、読んでくれてありがとうでした☆

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以上、その1~その5までが、7年前の2月~3月に行っていた前期加行50日間の後の日記でした。この日記を書いたのが6月で、8月~9月にはまた後期加行50日に行ってきたわけです。

過去のブログを読んでみたり、当時のノートを読み返してみたりすると、辛かった記憶がいろいろと蘇ってきます。夏の早朝(むしろ夜中)の修行中は道場にスズメバチがよく入ってきて私たちのまわりをブンブンと飛んでいたのですが、その頃のノートの端に「スズメバチに刺されてこのまま修行を終えたい」と書いてありました。病んでるな私…と思って笑ってしまいました。

こう言っていいのか、あの辛かった日々も今となってはいい思い出です。 

 

修行日記は、残り「後期修行編」と「番外編」があります。こちらも近々公開する予定です。それではまた。

 

<修行レポ 目次>

プロローグ

僧侶になるための修行って厳しいの?って話 - 4代目住職、尼僧です!

その1
修行日記1~朝起きたら暗くて天気がわからないよ~ - 4代目住職、尼僧です!

その2
修行日記2~魔法使いになっちゃったよ!~ - 4代目住職、尼僧です!

その3
修行日記3~精進料理なエビチリ!~ - 4代目住職、尼僧です!

その4
修行日記4~居眠りしてたらユーレイ先生に怒られた!~ - 4代目住職、尼僧です!

その5
修行日記5~自分の縁に感謝すること~ - 4代目住職、尼僧です!

その6
修行日記6~後期加行編~ - 4代目住職、尼僧です!

その7
修行日記7~先生側も経験させてもらいました~ - 4代目住職、尼僧です!

 

番外編(修行に入る日の朝、友人からのメールで父の死を知った話です)
父が死んだ日のこと - 4代目住職、尼僧です!

 

 

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これまでの私の話をしてみよう

今日はこれまでの私の足取りについての話をしてみよう。いつものブログとは文体が異なるが、それは自分自身の話をするので少し気恥ずかしい思いがあるためなのでご容赦いただきたい。

 

どうして僧侶になったのか。どうして住職になったのか。よく訊ねられる。「だって、お寺に生まれちゃったんだもん」という話は以前のブログで話したが、お寺に生まれた娘はお寺の奥さんとしてお寺を継ぐことはあっても、女性が住職になるのは一般的ではない。私も自分は将来お寺の奥さんになるものだと子供の頃からずっと思っていた。それなのにどうして自分が住職になろうと思ったのか、意を決して正直に言えば、なりたくてなったわけではない。私はずっと自分がお寺生まれであることをあまり好ましく思っていなかった。できれば普通の家に生まれたかった。しかし、そんな私がどうして住職になることを決めたのか、そのあたりも今回は明かしていこうと思う。

 

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私が人付き合いで心がけている3つのこと

仏教の教えはまったく関係ありません。
私が人付き合いで心掛けている3つのことです。

 

【1】お願いされたことは「快く」受ける

これは見習いたいと思う人がいます。
その人はとても忙しい人なはずなのですが、その人にお願いをすると、

 「いいよいいよ、任せておいて!」

といつも言ってくれます。
忙しいはずなのでこちらが恐縮していると、

 「大丈夫、暇だから!」
 「大丈夫、なんとかするから!」

と言って安心させてくれます。
(もしかしてこの人、ほんとに暇なんじゃ…?)
と誤解してしまいそうになるほど、いつもいつも快く私のお願いを聞いてくれます。間違いなくその人は忙しい人なのですが。お願いするこちら側の申し訳ない気持ちを察してくれて気を遣わないようにしてくれる、そんな心遣いがとても嬉しく、私も他の人にはそうしようと心に決めています。

 

【2】ものをもらったときは可愛く「ありがとう♪」

たとえば、コーヒーやジュースなどをご馳走してもらったとき、ちょっとしたプレゼントをいただいたとき、あまり遠慮しすぎず「わーい!ありがとうございます!」といただくようにしています。慎ましく遠慮することが日本人の美徳でもあるので、もしかしたら「なんて行儀の悪い…」と見られているのかもしれません。でももし私が逆の立場でなにかをご馳走してあげたいなって思ったときに遠慮されちゃったらちょっと悲しいから、プレゼントしてくれる人の気持ちもありがたくいただくようにしています。

 

【3】遅刻はしない

当たり前のことですが、私はルーズな人間なので気をつけていないとついやってしまうのです…。 遅刻しそうになったとき、「3分遅れます」って先に連絡しちゃおうかなって頭をよぎったとき、思い出すのはある人が言っていたこと。

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必ずしもそんなことはないと思うのですが、待ち合わせに遅れそうになったときにはこの言葉を思い出し、(暇人の私が待たせちゃいけない…!)とダッシュします。タイムイズマネー。そして人と関わる時間は私にとって一番大切な宝物です。人とのお付き合いはたいせつに。

 

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ゴールデンウイークから学んだお釈迦さまの教え

10年前、私は札幌の学習塾で働いていました。週に1~2日は教室へ行き小学生と中学生のクラスで授業をして、残りの日は本社でテキストやテストの制作をして…というような仕事でした。学習塾ではお盆やお正月は冬期講習・夏期講習の真っ只中なので他の会社のように連休がとれず、一年で唯一のまとまった連休はゴールデンウイークだけでした。なので有給休暇などを利用して9連休10連休という大型連休をもらえるのが一年で一番の楽しみでした。

当時20歳代前半だった私は、唯一の大型連休が楽しみで楽しみで、10日間すべての日に遊びの予定を詰め込むほど張りきっていました。ずっと心待ちにしていたゴールデンウイークが始まり、そしてその前半が終わる頃、「もう半分が過ぎてしまった…ゴールデンウイークが終わっちゃうよ…」としょんぼりしていました。まだ5月2日とかなので連休に入っていない人もいるというのに。

そして遊びに遊んで本当にゴールデンウイークが終わってしまったとき、

「一年の唯一の楽しみであるゴールデンウイークが終わってしまった…私は何を楽しみに生きていけばいいんだろう…」

と、私はまさしく燃え尽きた灰のようになっていました。

 

・・・・・・

 

あれから10年。私は祝日も連休も関係ない仕事に就いています。今の私にとってゴールデンウイークとはただの "普通の日" です。楽しみでもなければ、終わったときの虚無感もありません。

あるとき、
「人間は執着や欲があるから苦しむ、よって執着や欲を断ち切ればよい」
というお釈迦さまの教えを思い出しました。

「ゴールデンウイークが楽しみで仕方なかったあの頃は、ゴールデンウイークが終わるときとても苦しかった。でも、ゴールデンウイークになにも期待していない今はその苦しみをまったく感じない…!お釈迦さま!これなんですね!人間は執着や欲があるから苦しむとは、このことなんですね…!

 

お釈迦さまに申し訳ないくだらないことで仏教の教えを実感した私だったのでした。

 

 

ゴールデンウイークも終わってしまいましたね。今年は産後間もなかったので、家から一歩も出ずに連休のすべてが終わりました。北海道十三仏霊場の巡拝の方がちらほらと見えて「私もどこかに出掛けたいなぁ…」と羨ましく思いました。

お坊さんも足がしびれることあるんですねーって…当たり前でしょうが!!!!!

僧侶は足がしびれない生き物だと思ってくれている方がたまにいらっしゃるようですが…

そんな訳ないです。お坊さんだって長時間正座していたら足はしびれます。血が通っている人間ですから。お坊さんだって人間なんですから。

でも、「足がビリビリ痺れて動けない~」となることはほとんどありません。そうならないためのコツを習得している、ただそれだけです。

 

ちなみに私は30分以内の正座なら大丈夫、30分を超えたあたりから足の感覚が無くなりはじめ、1時間を超えると足は無感覚状態(触ってもわからない、動かすこともできない状態)になります。足の感覚が無くなった状態から一気に正座をやめて足の血流を元に戻すと、あのイヤ~なビリビリ状態に陥ります。

私が僧侶修行時代に習得した、足をビリビリさせずに血流を回復させるポイントはこれです。

「つま先を立てて足の指を反らせる」f:id:shingon_in:20160510113227j:plain

ビリビリが来る前にこの体勢にします。足がすでに無感覚で自力で動かすことができなければ、手を使って足の指を反らせてから少しずつこの体勢に持っていきます。
そしてこの状態で足の感覚が元に戻り足が動かせるようになるまでキープします。
するとあら不思議。ビリビリならずに足に血がスーッと通っていく感じがします。

法要などでは1時間ほど正座したままのときがあります。そんなときは私の足はだいたい痺れて無感覚状態になっています。法要の終わりが近づいてきた頃から上記のように立つ準備をし、退堂のときにはスッと立てるようにしています。いきなり「立て!」は無理です。怪我します。ほんとに。

 

高校生のときですが、どれだけ正座で我慢できるか試していたときに、無感覚状態から立ち上がり足がうまく動かせずにこの状態で体重をかけてしまいました。

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「バキッッ」という音が鳴り(もうだめだ…折れた…)と思いましたが、運よく足の甲の捻挫で済みました。それでも1週間ぐらい足を引きずって歩く羽目になりました。

足の痺れが取れない状態で動くのはたいへん危険です。やめましょう。

三児の母になりました

予定日よりも約2週間早く、4月22日に3人目が生まれました。
上の2人も予定日より1週間くらい早く生まれているので予定日前だろうなとは思っていたのですが、私の頭の中で計画していたよりも少し早かったです。

陣痛がきたのは同居している母が四国八十八か所の旅行に行っている最中で、あと2日で帰ってくるというところ。帰ってくるまでは大丈夫だと思っていたのですが、ちょっとだけ間に合いませんでした(^~^;)

「今、陣痛が来て入院したよ。今日中には生まれると思う。」

と、四国の母に電話したところ、その日、四国のお寺で安産祈願をしてくれたそうで、そのおかげか助産師さんを焦らせるほどのスピード出産で産むことができました。

 

というわけでめでたく4歳長女、2歳長男、0歳次男の三児の母になりました。
これからもゆるりゆるりとママさん住職がんばります~♪

香盛り

今日は「香盛り(こうもり)」という作業をしておりました。ブログに書くなら作業途中の様子も写真におさめておけばよかった(>_<)

 

こちらは「常香盤(じょうこうばん)」
長い時間お香をたくためのものです。

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灰をならし、溝を作ってその溝に「抹香(まっこう)」という粉状のお香を入れます。

 

こちらは、導師用の「香炉(こうろ)(下)」と「柄香呂(えごうろ)(上)」

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こちらも作り方は同じです。

 

これがかなりの集中力を要する作業なんです。まさに精神修行。