4代目住職、尼僧です!

38歳で3児の母、ゆるりゆるりと住職やってます

おてらおやつクラブ~お寺からおやつのおすそわけ~

うちのお寺はこんな活動に参加しています。

www.oteranomirai.or.jp

「おてらおやつクラブ」は、お寺にお供えされるさまざまな「おそなえもの」を、仏さまからの「おさがり」として頂戴し、全国のひとり親家庭を支援する団体との協力の下、経済的に困難な状況にあるご家庭へ「おすそわけ」する活動です。

(おてらおやつクラブより)

 

うちのお寺でもお寺にお菓子をお供えいただいたり、法事などのお下がりなどでお菓子をいただくことがあります。「お子さんにあげてください」と言われることも多いのでそれらのお菓子は家族でいただくこともありますが、家族では食べきれないこともあります。お寺のお手伝いをしてもらったりと檀家さんが集まる機会があればお茶菓子にしたり、農家さんからお野菜をいただくことがあればお礼にお渡ししたりしていますが、タイミングが合わず賞味期限が切れてしまうことがあります。*1

きっと、うちの他にもそんなお寺が多くあったのでしょう。そのお菓子を食べてくれる子供がいる家庭に届けよう!という活動が数年前から始まりました。うちとしては賞味期限切れになって無駄にしてしまうお菓子を減らせるのでありがたい。そしてそれで喜んでくれる人がいる。まさに一石二鳥。

 

おやつを送っている支援先の団体からいただくお礼のメールでは、おやつを届けた家族からの声も届けてくれます。

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今、私も3人の子育てをしているので、子育てをしながら働くってものすごく大変なことだと身をもって感じています。私は夫や母に子育てや家事を負担してもらいながらなんとか仕事をしていますが、それを一人でこなせと言われたら「いや、無理」の一言です。子供は保育園に預けていても熱を出して帰ってくることがよくあります。そうしたら仕事を早退して子供を迎えに行かなきゃいけない。病気が治るまでその後数日間は仕事を休まなければならない。そんな状況でも雇ってくれて、しかも子供を養育できるだけの稼ぎを出さなきゃいけない。仕事を見つけるだけでも途方に暮れそうです。しかし、そんな中で必死に生き、子供たちを育てている人がいるんです。

 

顔が見えない支援先家族の姿を想像しながらお菓子を詰めました。

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そうめんは、子供が集まるときに流しそうめんにしてくれたりするそうです。楽しそう。子供たちが喜んでくれるといいな☆

 

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*1:賞味期限が切れたものは当然他の方にあげる訳にもいかず…私がおやつで食べるお菓子は賞味期限切れのものばかりです。なにも問題なく食べられるのに、最近のお菓子は賞味期限が短すぎ!なんとかして!!

お経の読みクセ

基本的には檀家さんのお参りには住職自ら行くのですが、たまに日程が重なってしまったときには他のお寺さんにお願いして代わりに行ってもらうことがあります。前の月に代わりのお寺さんに行ってもらった翌月、私がお参りに行きお経を読んだあと、後ろで一緒にお参りしていた檀家さんが「やっぱり住職のお経が一番落ち着くわ~」と言ってくれました。もちろん同じ宗派のお寺さんで同じ本を見て同じお経を読んでいるのですが、僧侶ひとりひとりに読みクセがあります。良い・悪い、上手い・下手ではなく、それぞれの持ち味です。

私が住職になって7年。上手い・下手ではないと言いましたがおそらく最初は私のへたくそなお経で違和感たっぷりだったと思いますが、いつの間にか私のお経が「落ち着く」と感じるものとなってくれたことがとても嬉しかったです。

 

お経の読みクセを感じた話をもうひとつ。

私が亡き父の跡を継ぎ住職になってすぐの頃のことです。長年総代長を務めてくださっていた檀家さんのお宅をお参りに行っていたとき、後ろで総代長が一緒にお経を読んでくれました。総代長の「南無大師遍照金剛」の声を聞いて驚きました。総代長は何十年もずっと父の「南無大師遍照金剛」を聞き一緒に唱え続けてきたので、父の読みクセがすっかりうつっていて、「お父さんの読み方と同じだ!!!」と懐かしさに心打たれました。私は何年も父と離れて暮らしていて父のお経をしばらく聞いていなかったのですが、父の姿を思い出させるほどの完璧なお経で私は感動したのでした。

 

私もそんな住職に近づいていけているのかな。そうだったら嬉しいな。なんて思った私でした。

 

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私には大好きなおじいちゃんおばあちゃんがたくさんいます!

私が小学生の頃なので、もう25年ほど前の話になります。当時住職だった父の後ろにくっついて、檀家さんのお宅へよくお参りに連れて行ってもらいました。可愛がってくれる檀家のおじいちゃんおばあちゃんはたくさんいましたが、中でもYさんのおばあちゃんが大好きで、Yさんのおうちにはよく行きました。山奥のおうちなので近くの山で採れた山葡萄のジュースをご馳走してくれたり、家の隣の川で一緒に魚釣りをしたり、Yさんのおばあちゃんにはたくさん可愛がってもらった記憶があります。いつもニコニコして穏やかで優しくて、ほんとうに大好きでした。

そんなYさんのおばあちゃんがこのたび亡くなりました。そして私が葬儀の導師を勤めさせていただきました。

お通夜のあとのご法話で、そのような思い出をみなさんの前でお話しさせていただきました。久しぶりに昔のことを思い出し、懐かしさに心が癒えました。そして、あの頃は私が住職になるなんてきっと誰も想像していなかっただろうけど、こうしてお世話になった方の最期を送ることができるのはとてもありがたいことだと感じました。もし別の仕事をしていたら、昔あんなに大好きだったおばあちゃんだけどお葬式にも行かなかったかもしれないので。そしてこれから先もずっと供養を続けていけることも嬉しいことです。

私にはおじいちゃんおばあちゃんがたくさんいるみたいです(^^)

 

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「灯籠流し」を知っていますか?

お盆はご先祖さまの霊がおうちへ帰ってくるときといわれます。
13日のお盆の入りに迎え火を焚きご先祖さまを迎え入れ、16日にご先祖さまを送り出します。灯籠流しの "灯籠" はご先祖さまが乗ってあの世へ戻るための "舟" のようなものです。

真言院でも数年前まで灯籠流しを行っていました。私が小学生の頃からずっと続いていて、たくさんの灯籠が川を流れていく様子はとても幻想的でした。残念ながら環境問題の関係で続けることができなくなってしまったのですが、真狩村のブログと絵本で灯籠流しの歴史を残すことができました。

 

灯籠流しの絵本は、去年描いてもらったものです。当ブログにも記事があるので読んでみてください^^

shingon-in.hatenablog.com

 

また、真狩村のブログでは写真も残っています。私の父である前住職と、まだ僧侶になるつもりの無かった頃の私もチラリと映っています。

blogs.yahoo.co.jp

 

灯籠流しはほんとうに綺麗でした。光が流れていく様子を見ていると、しみじみと切ない気持ちになりながらも、ご先祖さまに別れを告げて「明日からもまたがんばろう」と思えました。今も灯籠流しを続けているところはぜひ続けてほしいし、見たことのある方はその光景を忘れないでいてほしいなと思います。

私が尼僧である意味

先日、お寺に安産祈願のご依頼がありました。
電話を掛けてきてくれたのは檀家さんのお宅のお嫁さんでした。

 

「今月で5ヶ月になるので、次の戌の日に…」

「あ、もう5ヶ月になるんですね。早いですね~。」

 

というのも、実は私が出産前の妊婦検診で通院していたときに、産婦人科の待合スペースで偶然顔を合わせていたんです。

「あれ?もしかしておめでたですか?」

と訊ねたところ、

「今日初めて来たのでまだはっきりはしていないんですけど…」

とおっしゃっていました。

「そうですか、無事に育っているといいですね。」とだけ言葉を交わしてそれ以降なにも聞いていなかったので、無事に5ヶ月を迎えることができたことを私も嬉しく思いました。

 

安産祈願のお参りをする日を決めて電話を切ったあと、私は少し後悔しました。

「もう5ヶ月ですか、早いですね~」は私の感覚だったなぁ、と。

 

自分が初めて初めての子を妊娠したときのことを思い返せば、ここにくるまでの日々は決して短くはなかっただろうと思います。ちゃんと育っているかという不安がたくさんあって、特に胎動を感じるまでの妊娠初期はお腹の中の子が元気に育っているかどうかは病院で診てもらう以外に確かめようが無く、1ヶ月に一度の検診の日を私はとても待ち遠しく感じていました。自分も経験したことなのに、忘れてしまっていました。

私が僧侶である意味というか、母親であり住職である私ができることといえば、お腹に子を宿す母親の気持ちがわかることだと思うんです。そういう意味で、3人の子供を産み育てている私は貴重な経験をさせていただけていると思います。

この経験を大切に、この気持ちを忘れずに、ママさん方の不安や悩みに寄り添える尼僧になりたいと改めて思いました。

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7月盆から始まる私の夏がもうすぐ来ます

夏が近づいてきました。

私にとって夏といえばやっぱりお盆です。お盆には全部の檀家さんのお宅をまわる「棚経(たなぎょう)」があります。お盆の棚経のことを考える時間が少しずつ増えてくると、「夏が近づいてきたな~」って感じがします。

 

東京はお盆が7月だそうです。そして北海道にも7月盆の地域があります。函館と、確か根室だったと思います。うちは函館にも檀家さんがいらっしゃるので、函館の7月盆の棚経から夏(お盆)が始まります。

今は函館の棚経の日程を組んでいるところです。夏です。夏です。

 

今日は7月15日の法要の案内状も兼ねている「寺報」の発送準備をしていました。印刷会社から戻ってきた出来立てホヤホヤの寺報をワクワク気分で開いてみると。

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がーん。。。
大事な部分で文字化け。。。

 

入稿する際にしっかり確認していなかった私がすべて悪いんです。。。
 

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再印刷にかける時間もないので、シールを貼ってチマチマと修正しております。
しょぼーん。。。

 

 

※寺報の続きが気になる方はこちらからお読みいただけます。
寺報7月号を公開しました|金胎山真言院|高野山真言宗|真狩のお寺

 

 

そして今年の夏は下の子がまだ小さいため、他のお寺さんにお手伝いをいただいて私は本来の6割程度の稼働率で棚経に回る予定です。遠方は今年は失礼する予定ですので、檀信徒の皆様よろしくお願いいたします。

さあさあ、もうすぐ私のところにも夏がきます。

修行日記7~先生側も経験させてもらいました~

修行を終えた次の年の2010年夏、住職として働き始めていたものの「自分なんかが住職でいいのか」と不安でいっぱいだった私のもとに、加行監督の先生から手紙が届きました。

「加行監督を手伝ってもらえませんか」

このお誘いは私にとって、とてもとてもとっても嬉しいものでした。
住職として檀家さんの前に立ってはいるけど自信はまったくないし、次々と来る仕事はどれも自分には荷が重すぎると感じる仕事ばかりだし、緊張の連続で私は正直疲れていました。

加行道場に行けば、私が元気をもらえるかもしれない。前を向いて歩けるかもしれない。先生方に会うことを楽しみに、1週間だけお手伝いさせてもらうことにしました。

先生方と会えて悩みを聞いてもらえたことも大きかったですが、後輩たちの頑張る姿には心を打たれました。修行ができることってありがたいことなんだって思えた、そんな話です。どうぞ。

 

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2010年8月31日

修行日記7~先生側も経験させてもらいました~

お盆が終わり、お寺が少し暇になった先週から1週間、高野山へ修行に行ってきました。 修行と言っても、厳密に言えば、修行のお手伝い。 未熟ながら先生役です。 すごく貴重な経験がたくさんできました。 一番印象に残っているのは、修行を途中でリタイアしてしまった行者の姿。 彼女は普段はいたって健康体なのに修行に入ってからなぜか体が言うことを聞かなくなり、 手足が痺れて動かなくなったり、耳が聞こえなくなってしまったりするようになったそうで、 彼女自身も自分の体の変化にとても戸惑っていました。 点滴を打ちながら、たまにパニックになったりしながらもなんとか続けていたのですが、 10日目を過ぎた頃、行中に突然痙攣を起こし倒れてしまったことで、 指導教官からストップがかかり、行を中止することになりました。 痙攣が治まり意識が戻ると、漏れるような声で「終わりたくない・・・」と何度何度も訴え、 「行に戻ります」と、動かない体を引きずって行こうとする姿がすごく切なかったです。 こんなに強く思っていても最後までやり遂げられない人もいるし、 もしかしたら修行に入りたいという願いを叶えられなかった人も多くいるはず。 自分が何事もなく修行を終えられたことは、とても有難いことなんだなと実感しました。 そして、尊敬する先生方とそれぞれゆっくり話すことができて嬉しかった。 いろんな先生が私のことを心配してくれていて、声をかけてくれて、 晋山祝い=住職になったお祝いと言って、数珠をプレゼントしてくれた先生もいました。 行が終わってからもこんなに良くしてくれるなんて、本当にありがたいです。 適当にやってるわけにいかないなー がんばんないといけないなー、と思いました。 いい感じに明日から9月です。 心機一転、がんばります。

 

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修行を途中で断念することになった彼女は、その次の年に無事に修行を終えられたそうです。また、この年に修行をしていた別の尼僧には昨年会う機会があったのですが、すっかり大人の美人尼僧さんになっていて、今はお寺をお手伝いしているという話を聞きました。嬉しかったです。頑張っている人の姿には励まされます。

 

振り返ってみると、私の人生の中で加行期間はやっぱりかなり特殊な経験ができた期間で、加行によって考えが変わったところがたくさんあります。ありがたい経験がたくさんできました。じゃあもう一度行きますか?と聞かれたら…それは断るけど…。でも、修行には「行かせていただいた」という気持ちを忘れず、大きな「ご縁」に感謝してこれから先も僧侶でいようと思います。

たまに初心を思い出すためにこの修行レポを読むことにしようっと。
これにて修行レポ、おわります。

 

<修行レポ 目次>

プロローグ

僧侶になるための修行って厳しいの?って話 - 4代目住職、尼僧です!

その1
修行日記1~朝起きたら暗くて天気がわからないよ~ - 4代目住職、尼僧です!

その2
修行日記2~魔法使いになっちゃったよ!~ - 4代目住職、尼僧です!

その3
修行日記3~精進料理なエビチリ!~ - 4代目住職、尼僧です!

その4
修行日記4~居眠りしてたらユーレイ先生に怒られた!~ - 4代目住職、尼僧です!

その5
修行日記5~自分の縁に感謝すること~ - 4代目住職、尼僧です!

その6
修行日記6~後期加行編~ - 4代目住職、尼僧です!

その7
修行日記7~先生側も経験させてもらいました~ - 4代目住職、尼僧です!

 

番外編(修行に入る日の朝、友人からのメールで父の死を知った話です)
父が死んだ日のこと - 4代目住職、尼僧です!

 

 

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