4代目住職、尼僧です!

38歳で3児の母、ゆるりゆるりと住職やってます

お経は覚える必要なし!

「お経をなかなか覚えられないんだけど、どうしたら覚えられますか?」

「どのお経を覚えたらいいですか?」

 

よく聞かれるのですが、私は高野山での修行中、こう教わりました。

  「経は読むべし」

お経は覚えるものじゃない。経本を見ずに読んで、もしも間違えたり途中を飛ばしたりしてしまったら、お経の功徳が台無し。だからお経は経本を見ながら一字一字丁寧に読みなさい。と、いうことだそうです。

 僧侶でしたらいくつかのお経は覚えていたほうがいいと思います。経本を持っていないときにもお経をあげなければならないこともありますから。しかし、毎朝お仏壇の前でお経をあげるときや、お寺やお墓にお参りに行くときなどは、経本を用意できるでしょうからそれを見ながら一字一字読むのが良いと思います。

私は普段のお勤めではいつも経本を開かずに般若心経を読みますが、おそらく200~300回に1回くらい間違えることがあります*1。50回に1回くらい(あれっ…今どこ読んでる!?)と不安になることがあります。とても良くないことだと思います。ですから、最近はたまに経本を開いて一字一字意味を思いながら読んだりしています。口だけで読むより、目からもお経が自分の中に入ってくるようで、ずっとありがたいです。

お経は覚える必要はありません。上手に読む必要もありません。経本を見ながら、一字一字丁寧に読みましょう。

 

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*1:それを多いと考えるか少ないと考えるか、判断はお任せします。笑

若すぎる遺影はおかしい?

結論からいうと、遺影が亡くなった年よりも若くてもいいんじゃないかと私は思います。だって、その時代を含めてすべてがその方の一生なんだから。

 

先日お勤めした葬儀でのことです。
亡くなったのは90歳すぎのおばあちゃん。病気をして入院してからも、最期まで息子さんやお嫁さんに心配を掛けまいとしていた、とても気丈な方でした。信仰心が厚く、早くに亡くなった旦那さんの供養を一生懸命されていました。
その方は私が子供の頃からお寺のお手伝いに来てくれていたので、昔からよく覚えています。私とは60歳の年齢差があるので、私にとっては昔からずっと"おばあちゃん"のイメージでした。

しかし、お通夜の前にその方の遺影と対面して、私は感動しました。
おそらく30歳代後半か40歳代の頃の写真でしょう。若くてとても美しいその方の写真から、バリバリと働いて家事や子育てをこなす、芯の強い優しく厳しい「お母さん」のような面影を感じました。そして「うわぁ~、いい写真選んでもらってよかったねぇ~」と、私はひとりで遺影に話し掛けたのでした。

私は"おばあちゃん"の姿しか見たことがなかったので、若い頃の姿を初めて見て驚いたのですが、若い頃を知る私の母にその写真を見てもらったところ、
「ああ、そうそう。これが〇〇さんだよ。バリバリの頃だね。」
と喜んでいました。お寺のお手伝いをバリバリしてくれていた、輝いていたその方の顔が浮かんだそうです。
お通夜に来ていた方も、その遺影を見て、
「あらぁ~、いい写真だねぇ~」
とおっしゃっていたのを見ました。

ご遺族の方は「写真が若すぎておかしいかな」と悩んだかもしれません。しかし、そのその方が生きていたのは今だけじゃなくて、過去も現在もすべてがその方の一生です。葬儀ではこれまでいろんな時代で故人と関わってきた人たちが、生前の感謝を伝えに訪れます。その方の輝いていた頃の写真を遺影に使ってあげるのは、ご本人にとっても、送る側の人たちにとっても、嬉しいことのような気がします。

そして、これから先、ご遺族をはじめ送る側の人たちの記憶にあの素敵な写真の笑顔が残って心の中で生きていくんだと思うと、なんだか温かい気持ちになりました。

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修行日記2~魔法使いになっちゃったよ!~

昔のSNSに残されていた修行を終えたばかりの私の日記、修行レポその2です。

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2009年4月22日

修行日記2~魔法使いになっちゃったよ!~

真言宗は仏教の中でも密教ってやつに属するのですが、 密教という名前の通り、秘密なことが多いです。 修行をしていない人間には教えてくれないことがたくさんあるし、 いろいろ知ろうと思うと、さらに修行を積んで教えてもらわなきゃならんのです。 

わかりやすいところでいくと、あたしは修行が途中なんでまだ葬式はできません。 葬式のやり方の本がうちにあるからそれを見ながらやればできないことはないだろうけど、 その作法はまだ知ってはいけないんです。 

そんな風に、密教では何かを教えてもらうには修行をしなきゃいけないんです。 真言宗でとりあえずの一人前の僧侶になるためには、 「四度加行(しどけぎょう)」というものを終えなければいけません。 これがあたしが言ってる修行ってやつなんだけど、 四度、つまり4クールに分かれていて、この1クールが3週間です。 この間の修行は前半2クールだったので、3週間×2クール=6週間でした。 

そして1クールの中がさらに「研修期間」と「実践期間」のようなものに分かれます。 2週間の研修を経て、実践を行える権利を得ます。 そしたら実践の作法を教えてもらえて、1週間の実践を行います。 

これが1クールで、こんな感じで4クール行うのが四度加行です。 んで、1クール目の実践期間で初めて仏様を供養する方法を教えてもらえるのですが、 それまでの2週間の研修期間が一番キツイです。 百礼(両膝、両肘、額を地につける「五体投地」を百回)の後に、お経30分以上、 そしてある言葉を千回言いなさい。みたいな。その間はもちろん正座ね。 これを1日3回×2週間。 そしてそれに加えて3日に一度の両壇参拝(その1参照)。 スクワット100回(百礼)で膝痛&筋肉痛なところに正座1時間。 そして両壇参拝行って膝がさらに痛くなったところでまた百礼&正座。 それのトリプルの合わせ技の繰り返しで膝は死亡です。 最初の2週間は、足の甲、足首、ふくらはぎ、膝、太もも、腰、背中、・・・ まぁ一言で言うと全身が痛かったです。湿布だらけでした。 まぁ、そう簡単に密教の修法は教えねぇよってことでしょうね。 この2週間がダントツで一番辛かったです。 

この2週間が終われば、実践に入ります。 ここからはちょっとテンション上がりました。 何をするかっていうと、目の前に並んだアイテムを使って、 (アイテム→http://butuzou.com/shumiya/mikkyo/) 印(仏像とかいろんな手の形してるじゃん?ああいうの!)を結び、 呪文のようなものを唱えるんですよ。 そしたら、棒で水を混ぜると水が水じゃないものに変わっちゃうし、 葉っぱが清浄の妙供、つまり仏さまのお供えものに変わっちゃうし、 自分の前に結界張ってお城建ててお城を火で囲って変なものが来ないようにして、 仏さまいっぱい呼んでパーティーしちゃうんですよ。 もう呪文唱えながら水かき混ぜてるときなんか、キキのお母さんの気分ですよ。 ・・・怪しさ満点ですね。 そんな怪しいことを1日3回していました。 そして最終的には、4クール目の実践期間には火を起こしちゃいます。 「護摩(ごま)」ってやつです。 これは経験者はみんな楽しいって言うので、ちょっと楽しみです。 またあの生活を6週間やるのかと思うと憂鬱だけど。 ・・・というわけであたしは魔法使いになりました。 こんなあたしですが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします☆

つづく!

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これは怒られるやつかもしれない…とドキドキしております。なぜなら、真言宗密教ということで、むやみに言ってはならないこと、知ってはならないことというものがあります。この日記はそれに触れてはいないだろうかということと、あと、やっぱり少しふざけすぎです。笑

ところで、密教とは「秘密の教え」というような意味になりますが、その「秘密」というのに2つの意味があるそうなのです。

1.衆生の秘密
まだ悟りを開いていない者(衆生)は密教の真理を見ることができません。決して隠されているわけではなくて、そこにあるのにただ見えていないだけなのだそうです。これを衆生の秘密といいます。

2.如来の秘密
密教の真理は、それを理解することができる状況やレベルに達しない者に説くと間違った解釈をしてしまったり害を及ぼしたりしてしまうこともあります。そのためそのような者には如来がその真理を秘密にしてくれているのだそうです。「体操初心者にいきなり大技を教えたら怪我をしてしまうから敢えて教えない」そういうようなことだそうです。これを如来の秘密といいます。

秘密にすることは、如来(仏さま)の優しさでもあるんですね~

 

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<修行レポ 目次>

プロローグ

僧侶になるための修行って厳しいの?って話 - 4代目住職、尼僧です!

その1
修行日記1~朝起きたら暗くて天気がわからないよ~ - 4代目住職、尼僧です!

その2
修行日記2~魔法使いになっちゃったよ!~ - 4代目住職、尼僧です!

その3
修行日記3~精進料理なエビチリ!~ - 4代目住職、尼僧です!

その4
修行日記4~居眠りしてたらユーレイ先生に怒られた!~ - 4代目住職、尼僧です!

その5
修行日記5~自分の縁に感謝すること~ - 4代目住職、尼僧です!

その6
修行日記6~後期加行編~ - 4代目住職、尼僧です!

その7
修行日記7~先生側も経験させてもらいました~ - 4代目住職、尼僧です!

 

番外編(修行に入る日の朝、友人からのメールで父の死を知った話です)
父が死んだ日のこと - 4代目住職、尼僧です!

 

 

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四季を感じながら生きられるって素晴らしい☆

今朝、子供達を保育園に送り届けるため、子供達を引き連れ玄関を出ると、羊蹄山のあたまには真っ白な雪が。

 「わぁ~!見て見て!羊蹄山に雪が降ったよ!!」

毎日見ている羊蹄山ですが、特別キレイに見える日はやっぱりちょっとテンションが上がります。四歳の娘と「雪降ったね~」とウキウキお話ししながら保育園へ行くと、保育園の玄関には1人の先生と7~8名の園児がならんでみんなで羊蹄山を眺めていました。

 「おーーい!! 羊蹄山が!!! 雪が降ってるよーー!!!」

園児たちがみんなハイテンションでした。やっぱり羊蹄山がキレイに見える日はみんな嬉しいみたいです。

 

お寺のfacebookに写真を投稿しようとカメラを持ってきていたので、子供達を送り届けたあと写真を撮りに車を走らせました。
が、狙っていた撮影スポットに向かう間に、どんどん出てくる雲たち…

(仕方ない…!ここで撮ろう…!)と撮ったのがこの写真…。

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もっともっと綺麗に見えていたのに、この写真は残念すぎる…
だけど、あれよあれよという間に、山はどんどん変化していきます。

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あ…雨雲に包まれた…
今日はもうダメだ…
毎日見えているような気がする羊蹄山ですが、キレイな写真を撮ろうと思うとそのタイミングは意外と難しいものです。

 

私が住む真狩村には、羊蹄山という素晴らしい山がすぐ近くにあります。冬は真っ白な雪に覆われ、夏はまるでブロッコリーのように山全体が緑に包まれます。秋には紅葉の様子も見え、冬に向かう時期には降雪が少しずつ山頂から山すそに向かって下りてくるのを感じられます。四季すべてで羊蹄山の顔色が変わるので、この景色を見ながら毎日暮らせるのはこの村の自慢だし、村民みんなの生きる力になっていると思っています。私もたまに落ち込んでいるときに、街全体を包み込むように立っている羊蹄山を眺めていると、羊蹄山に支えられて生きているような気がしてきちゃいます。

自然ってホント素晴らしい☆

 

それでは、このままで終わるのは羊蹄山に申し訳ないので、最後に、同じような場所から似たような季節に撮った、本気の羊蹄山をご紹介します。

羊蹄山はほんとうに美しい山です☆

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(2014年11月5日 撮影)

修行日記1~朝起きたら暗くて天気がわからないよ~

前回の日記でお知らせした通り、昔のSNSに残されていた修行を終えたばかりの私の日記を公開します。友人限定公開で書かれたものなので文章が非常にゆる~いです。そして多少ふざけています。あの頃の私はまだ若かったということで許していただけたらと思います。

私が修行に行っていたのは、2009年2月14日~3月29日の6週間と、8月1日~9月13日の6週間。真言宗では僧侶になるためには「四度加行(しどけぎょう)」という修行を行います。四度加行は4段階に分かれていてそれぞれ3週間ずつあるので、計12週間の行です。私が修行を行った道場は前期6週間と後期6週間に分けて行われました。この日記は前期加行6週間を終えたあとのものです。

 

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2009年4月20日

タイトル「修行日記1~朝起きたら暗くて天気がわからないよ~」 

 

修行から帰ってきてもうすぐ1ヶ月経ちます。もう1ヶ月か、それともまだ1ヶ月か・・・。
修行が終わった瞬間から辛かったことはすべて忘れてしまったので、修行中の記憶が遠い昔の記憶となってしまっているのですが、修行中のノートなどを見ながら、いろいろ思い出して書いていこうと思います。 誰もが経験できることじゃないし、あたしにとっても一生に一度のことだし。大変だったんだね・・・とか声をかけてほしいわけではないんで、 修行って何やるんだろwって気になる人だけ読んでもらえたら、と思います。 なんか質問とかあったら、答えられる範囲で答えていくんで、どーぞお気軽に♪

修行日記第一弾は修行僧の毎日についてです。 
とりあえず、基本の一日のスケジュールはこんな感じです。 

4:00 起床 
4:30 行(1) (1時間~1時間半ぐらい) 
6:30 朝勤行 (1時間ぐらい) 
7:30 清掃 
8:30 朝食 
9:00 行(2) (2時間半~3時間ぐらい) 
12:30 昼食 
13:00 両壇参拝、講習、作務など 
15:30 行(3) (1時間~1時間半ぐらい) 
17:00 夕勤行 (1時間ぐらい) 
18:30 夕食 
19:00 施餓鬼(10分程度) 
21:00 消灯 

「行」とは、僧侶になるために1日3回課せられているもので、これが修行の中で一番重要な部分です。具体的にどのようなことをやっているのかは、次回お話ししますが、筋トレに近いことをやったり、ひたすら何かを唱えてみたり、決められたカリキュラムを1日3回こなします。 

「朝勤行」「夕勤行」は、お寺でだいたいやっている朝夕のお勤めです。 これは行とは違って、課せられているものではなく日課的にやっているものです。 

「両壇参拝」とは、修行中に課せられているカリキュラムのひとつで、3日に1回、奥の院というところを参拝しに行きます。約2時間半、距離にすると4~5kmの超早歩きのお散歩です。冬でも汗だくで、何気にこれが一番きつかったかも・・・。歩いて膝が痛くなるなんて、初めての経験だったわ。 

「講習」とは、両壇参拝が無い日に、声明(しょうみょう:お経が歌になったみたいなの)や梵字の講習、あと新しい作法などの伝授を受けたりします。罰ゲームかと思うほど眠いです。 「作務(さむ)」とは、庭の掃除や仏器磨きをしたりします。 

「施餓鬼(せがき)」とは、前世で悪いことをして常に飢えと渇きで苦しんでいる餓鬼(がき)たちを供養してあげる時間です。時間が押しちゃった日には真っ暗闇でお経をあげたりして、なかなか怪しいことをしている雰囲気満点です! 

施餓鬼から消灯までの時間は基本的にフリータイムですが、勉強しなきゃいけなかったり、ほかにもやることがいろいろあったり、狭いお風呂に順番に入らなきゃいけないので、ゆっくりできる時間はほとんどありません。

 

だいたいこんな流れなんですが、巻けるところは極力巻いていくんで、時間は毎日変化します。こう見るとゆったりしているように見えるかもしれませんが、時間はほんっとにないです。移動は基本走ってだし、昼間に与えられる休み時間はトイレ休憩ぐらいなので、10分時間が空いたら何しようかてんぱっちゃうぐらい常に時間に追われています。2、3年に一度は膀胱炎になる人がいるらしく、時間がなくてもトイレは我慢するな!と 何度も何度も言われました。それでもやっぱりトイレに行くのを諦めるぐらい、それぐらい時間には追われました。消灯時間も原則21時だけど実際はこの時間には寝られないし、忙しい時期には3時起きになったりします。 
多少睡眠時間が削られるのだったら大丈夫なんだけど、1ヶ月半の間、1日もゆっくり寝てられる日が無いというのはすごくプレッシャーでした。お陰で夜中に何度も「起きなきゃ!寝ちゃダメだ!」って目覚めました。最初はどうなるかと思ったけど、気が張ってるからなんとかできるもんだね。
あと、「行」と「朝勤行」「夕勤行」、そして食事の時間はすべて正座です。「講習」の部分も2時間ぐらい正座のときもありました。ざっと見積もっても1日8時間ぐらい正座してます。足が痛いです。リアルに2度泣きました。痛みの原因は正座だけじゃないんだけど、やっぱり足の痛みが行で一番辛かったです。こんな感じで1ヶ月半やっておりました。どんなことをやっていたか、辛かったこと楽しかったこと、 話したいことhttp://shingon-in.hatenablog.com/entry/2015/10/08/093147はいろいろあるんで、おいおい書いていこうと思います。
つづく!

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<修行レポ 目次>

プロローグ

僧侶になるための修行って厳しいの?って話 - 4代目住職、尼僧です!

その1
修行日記1~朝起きたら暗くて天気がわからないよ~ - 4代目住職、尼僧です!

その2
修行日記2~魔法使いになっちゃったよ!~ - 4代目住職、尼僧です!

その3
修行日記3~精進料理なエビチリ!~ - 4代目住職、尼僧です!

その4
修行日記4~居眠りしてたらユーレイ先生に怒られた!~ - 4代目住職、尼僧です!

その5
修行日記5~自分の縁に感謝すること~ - 4代目住職、尼僧です!

その6
修行日記6~後期加行編~ - 4代目住職、尼僧です!

その7
修行日記7~先生側も経験させてもらいました~ - 4代目住職、尼僧です!

 

番外編(修行に入る日の朝、友人からのメールで父の死を知った話です)
父が死んだ日のこと - 4代目住職、尼僧です!

 

 

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僧侶になるための修行って厳しいの?って話

まず、どうして女の私が住職になることになったのかはこちらです。

shingon-in.hatenablog.com

 

 

ある檀家さんに聞いた話です。

「実家のお寺の若さんが修行に行ってたんだけど、途中で脳いっ血で倒れて帰ってきちゃったらしいの。今はまだ入院してリハビリをしているらしいんだけど、ちゃんとお経が読めるようになるまで回復すればいいんだけど…。修行ってそんなに大変なんだねえ…。」

聞くところによると、そのお寺は曹洞宗で、若さんはまだ20歳すぎ。曹洞宗の修行について詳しくは知りませんが、修行が厳しい宗派の印象があります。脳いっ血で倒れる人もいるのだから、まさに修行は命を懸けたものだといえます。

私と修行同期だった当時19歳の男の子は、修行が始まって数日でぎっくり腰になってしまい修行を続けることができなくなってしまいました。次の年、もう一度挑戦していましたが、また数日でぎっくり腰が再発してしまい修行は中止になりました。彼はその後どうなったのでしょうか。

私の次の年に修行に入った女の子は、精神的に病んでしまったのか途中で体が思うように動かなくなり、修行を続けることができなくなってしまいました。その子は次の年にもう一度挑戦し、無事に修行を終えたそうです。

今年4月には私と同じくお寺の一人娘だった私の友人が修行に入りました。彼女もまた修行の途中で精神的に病んでしまい、修行を続けることができなくなってしまいました。今は病院に通いながら自宅療養中です。まずはゆっくり休んで気持ちを落ち着けてからその後のことを考えてほしいと思います。

 

真言宗では僧侶になるために約100日の修行があります。私も父の跡を継いで住職になるために修行にいきました。当時、修行はとてもつらかったです。途中でリタイヤするまいと思って頑張っていましたが、途中で体や心を壊すこともなく最後までやり遂げられたのは、それが仏さまがくれた「ご縁」があったからなんだと思います。
修行を終えることができた自分がエライとか、仏さまから選ばれた自分がスゴイとか、そういうことを言いたいわけでは決してありません。修行を終えられたときに心から感じたのですが、すべてのことは自分の力だけでできているわけじゃない、すべては「ご縁」なんだなって思うのです。

 

私が修行にいっていたのは6年前の冬(前期)と5年前の夏(後期)、ちょうど6年前の今頃は高野山の道場で後期の修行中です。懐かしい気持ちになったので、昔のSNSに投稿していた日記を読み返してみました。

下の2つは前期の修行が終わったばかりの私の日記です。

 

 

タイトル「無事帰ってきました」 2009年3月29日

1ヶ月半の修行を終えて今日俗世に帰ってきました。ひび割れやらしもやけやらでボロボロです。ちなみにむくみは手だけじゃなくて全身です。顔もです。そして顔が変に赤いです。これらの不調はきっと何かの栄養素が不足していたからだと思われます。 
正直やり遂げる自信なかったのですが、終わってみればあっという間で、自分の人生のなか1ヶ月半の記憶がぶっとんでる感じです。なかなか特異な体験をしたと思うので、 詳しい修行日記はおいおい書いていきます。とりあえずお疲れさまでした。明日実家に帰ります。

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タイトル「俗世の朝いちにちめ」 2009年3月30日

普通の生活の幸せをかみしめています。今朝は、念願だったたまごサンドを食べました。ああ幸せだ。こんなので幸せを感じるのかとこんなあたしを哀れんでくれる人は、あたしになにか美味しいものを奢ってください。動物性タンパク質のものならなんでも喜びます。
ただ、気が抜けたからか手の痛みが非常に辛いです。指先は10本中8本がひび割れしてます。親指は出血するほどの深いひび割れが2カ所ずつ。手の甲側の指はしもやけで何かが触れるだけで痛い。介護用手袋を常にはめてる状態でなんとか暮らしています。
今朝は常の如しの4時起きで帰省のための荷造りをしたのですが、こんな急日程で実家に帰るには訳がありまして。お世話になった方もいるので報告いたします。
あたしも修行に入るほんの30分前に知ったのですが、2月13日に父が亡くなりました。修行中は親の不幸だろうがなんだろうが帰ることはできないから、その日はそのまま修行に入りましたが、いやぁドラマチックな1日だったわ。
(中略)
元気だった頃の父と、病院での父と、今はもういない父。どれも同じ父だっていう実感が全然わかない。正直、帰るのが怖いです。でも、父と母に一番の親不孝をしながら行かせてもらった修行。がんばってきたよって報告をかねて、初めてのお経を父のためにあげます。ちょっと遅くなったけど、これも親孝行だよね。お供え物、なに買ってってあげようかなぁー

 

 

他にも修行中のことなどが書かれた日記もありました。友人のみの限定公開で書かれたもので非常にゆる~い文章なのですが、修行から帰ってきたばかりの私のリアルな気持ちが書かれています。これはちょっと面白いかもと思うので、次回以降で少しずつ公開していくことにします。どうぞお楽しみに(?)

 

 

<修行レポ 目次>

プロローグ

僧侶になるための修行って厳しいの?って話 - 4代目住職、尼僧です!

その1
修行日記1~朝起きたら暗くて天気がわからないよ~ - 4代目住職、尼僧です!

その2
修行日記2~魔法使いになっちゃったよ!~ - 4代目住職、尼僧です!

その3
修行日記3~精進料理なエビチリ!~ - 4代目住職、尼僧です!

その4
修行日記4~居眠りしてたらユーレイ先生に怒られた!~ - 4代目住職、尼僧です!

その5
修行日記5~自分の縁に感謝すること~ - 4代目住職、尼僧です!

その6
修行日記6~後期加行編~ - 4代目住職、尼僧です!

その7
修行日記7~先生側も経験させてもらいました~ - 4代目住職、尼僧です!

 

番外編(修行に入る日の朝、友人からのメールで父の死を知った話です)
父が死んだ日のこと - 4代目住職、尼僧です!

 

 

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住職に見えない私の小さな悩み

私は普段は洋服を着ています。いつも衣や作務衣を着ているわけではありません。髪の毛は肩より少し長いくらいあり、結んでいるときもありますが下ろしているときもあります。住職が女であることを知らない人は、私のことを見て住職だと思う人はまずいないでしょう。お寺の若奥さんが出てきたなと思われるのが妥当なところでしょう。

さて。最近、悩んでいるのが、「私が住職です」と名乗ろうか名乗るまいかということ。

霊場まいりの方がいらっしゃったとき、私が出ていって霊場の説明をしたり御朱印を渡したりします。そのときには間違いなく「奥さん」だと思われていると思います。しかし、私が霊場まいりをしている立場になって考えてみたら、自分がお参りに行ったときに住職に会えたら嬉しいと思うんです。

だから、

 ここで住職と名乗ったほうがいいのか…?
 いやしかし私の今のこの服装…
 住職のイメージを壊してしまうんじゃなかろうか…?

といつも悩みます。そして悩んだ挙句、何も言わずにお寺の奥さんのフリをして送り出してしまいます。(嘘はつきませんが、あえて何も言わないってことです☆)そしていつもその後に(あぁ~言えば良かったのかなぁ~でもなぁ…)と悶々悩むのがいつもの流れです。

今日もつい先ほど、このいつもの流れをひととおりやってきて、いま心に決めました!

 次からちゃんと名乗ります!

「私が住職です!」ってアピールできるように、簡単な名刺でもつ~くろ~っと♪